住吉

先輩、卒業おめでとうございます

青山

おめでとうございますー。
でも、もう卒業ってなると、少し寂しいですね

百合ヶ丘

まぁ、出会いがあれば別れも有るし、連絡先も交換してるし

市ヶ谷

僕達も……いつまでも高校生では居られないから

内原

まぁ、機会が有ったらまた偶に合おうよ。有明とかで

青山

そうですねー

市ヶ谷

……僕だけ会わないフラグだ……

内原

住吉さん

住吉

はい、なんでしょう?

内原

青山さんのことを、くれぐれもよろしくね

住吉

勿論です。私が卒業するまでしっかりと見ています

百合ヶ丘

青山さんも、また何かあったら、誰かに相談するんだよ?
住吉さんでも良いし、まだ見ぬ後輩でも良いし

青山

はい。頑張って相談するラインを見極めます

市ヶ谷

そうだね……信用ならない輩には、相談出来ないね……
心配をかけるのは嫌かも知れないけど、春日さんのことも、頼って良いと思うよ……

内原

さて、この後どうする?
みんなお弁当なんて持って来てないだろうし、どっか食べに行く?

住吉

そうですね、卒業祝いに、みんなで行きたいですね

青山

私も行きたいです

百合ヶ丘

それじゃ、みんなで行く?

市ヶ谷

そうだね……遅くならない程度に

内原

じゃあ、遅くならないようにもう行こっか

春日

失礼します……あ、もうお帰りですか?

青山

帰りって言うか、これからみんなでごはん食べに行こうかと思って。
春日さんも行く?

春日

いえ、私はこの後演劇部のみんなで食事に行くことになっているので

百合ヶ丘

あれ?わざわざ時間作ってこっちに来てくれたの?

春日

えっと、はい。卒業おめでとうございますと、言いたくて

百合ヶ丘

そっか、ありがと

市ヶ谷

わざわざ、ありがとう……

春日

それで、あの、お忙しいところ悪いのですが、ちょっと内原先輩と2人で話したくて。
よろしいですか?

青山

そうなの?

内原

私は構わないぜ?

住吉

そう。それじゃあ、私達は先に昇降口に行って待ってましょう。
内原先輩、戸締まりをお願いします

内原

おうよ、まかせて

市ヶ谷

これからはなかなか会う機会も無いだろうし……ゆっくり話してね

春日

はい。でも、なるべく手短に済ませますので

百合ヶ丘

それじゃあ、先に行ってるね

内原

それで、私に話ってなんじゃらホイ?

春日

えっと、バレンタインの時に渡したチョコの包みに、手紙を入れて置いたのですが……

内原

ああ、その話かぁ。うん。ちゃんと読んだよ、ありがとう

春日

あの、私のこと、変な奴だって、思いませんでしたか?

内原

ん~、別に変だとは思わないよ。
まぁまぁよく有ることでしょ

春日

えっと、それで、あの

内原

うん。お返事聞きたいんだよね?
春日さんの気持ちは嬉しいけど、私はまだあなたの気持ちには応えられないなって

春日

……そうですか……

内原

この学校さ、殆ど女子校みたいなもんだから、もしかしたら春日さんがなにか思い違いをしてる可能性って言うのも有るしね

春日

そんな、そんな事無いです!

内原

うん。でも、まだ会ってから1年しか経ってないし、もう少し考える時間があっても良いと思うんだ

春日

…………

内原

この学校を卒業したら、違う世界が見えて、春日さんの気持ちが変わるかも知れない。
だから、卒業するその時まで、その気持ちはしまっておいてね

春日

……私のことは、相手にしたくないんですか?

内原

そうだね、少なくとも、今はまだ春日さんのことを受け止めきれない。
私はまだ、自分のことに責任を持てない未成年なんだよ?

春日

……はい

内原

でも、春日さんがこの学校を卒業する頃には、私も専門学校を卒業して、社会人になって、責任を持てる大人になってなきゃいけない。
だから、その時まで気持ちが変わらなかったら、その時にもう一回言ってね

春日

えっ?あの、それって

内原

今はまだOKとは言えないよ?
でも、諦めたくないんだったら

頑張って追いかけてきて

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