目が覚めると俺は何もない空間にいた・・・。
ここはどこだ・・・?
目が覚めると俺は何もない空間にいた・・・。
ここは亜空間だよ。
!!おまえは!?
見ての通りチーズだよ。
チーズがしゃべった!?
喋るよ。
どういうことだ、ここは何なんだ。
ここは亜空間。君はそこに飛ばされてきた哀れな人間ということさ。
そんな・・・。どうすれば戻れる?
なんだ!?
森鴎外だよ。
どういうことだ、なぜ森鴎外が・・・。
この場所では1時間ごとに森鴎外が現れる。それ以外は何もない。森鴎外が何を意味しているかもわからない。僕ももともとは人間だったんだけど黙々と森鴎外を見ているうちにチーズになってしまったんだ。
意味がわからない・・・。
くそっ、どうすれば・・・!
1年後
ぶつぶつ・・・。
気づけば俺はバナナになっていた。それ以外は何も状況は変わらない。ただただ森鴎外が1時間ごとに現れるだけだ。
俺は森鴎外の概要をぶつぶつ繰り返す存在になっていた。
森 鷗外は、日本の明治・大正期の小説家、評論家、翻訳家、陸軍軍医、官僚。位階勲等は従二位・勲一等・功三級・医学博士・文学博士・・・
森鴎外博物館
当博物館ではこのバナナ型イヤホンをつけてもらうことで森鴎外の詳しい説明を聞きながら館内をまわることができます。
本名は森 林太郎。 石見国津和野出身。東京大学医学部卒業。 大学卒業後、陸軍軍医に
今日もまた一人バナナ型イヤホンになる。
おわり