俺が全てを失ってから数日後、つけっぱなしにしていたテレビからあるニュースが聞こえた。

長谷川 拓実

・・・

テレビ

芽節中学校で・・・

そのニュースによると数日前に近くの中学校で自殺未遂をした人がいたらしい。
原因はいじめらしい・・・

長谷川 拓実

そんなことで・・・

長谷川 拓実

たったそんなことで自ら命をすてるなんて・・・


俺は笑った。

理不尽なこの世の中を理解して笑った。

だから俺は知っている、この世の中で自殺をする愚かな人の話を

俺が三年前のことを思い出しているといつのまにか目の前には羽柴の家があった。

栗山 茉奈

・・・

長谷川 拓実

緊張してるのか?

栗山 茉奈

はい、でもけじめはつけました。
覚悟はできてます。

長谷川 拓実

そっか。

長谷川 拓実

立派だよ、あんたは。

羽柴 小百合

あら、また来てくれたの?
学校もないのにありが・・・

栗山 茉奈

・・・

羽柴 小百合

まなちゃん・・・

栗山 茉奈

お久しぶりです、めぐみのお母さん・・・

長谷川 拓実

あの、恵さんと話をしたいのですが。

羽柴 小百合

とりあえず、家にあがって話をしましょう。

リビングにあがるとそこには中学生くらいの少年がソファでくつろいでいた。

羽柴 薫

まなさん・・・

栗山 茉奈

お久しぶり・・・

羽柴 小百合

薫、悪いけど大事な話があるから自分の部屋にいてくれる?

羽柴 薫

大事な話って姉貴のことだろ?
だったらボクも混ざっていいんじゃない?

羽柴 小百合

ダメよ

羽柴 薫

チッ、わかったよ。
どーせボクなんかあれですからねー

長谷川 拓実

あれってなんだ?

そう言って薫という少年は二階に上がっていった。

長谷川 拓実

弟さんですか?

羽柴 小百合

そうよ、態度が悪い子なの、ごめんなさい。

長谷川 拓実

いえいえ、自分も思春期なんてあんなもんだったですから。

俺は平気に嘘をついた。
俺には思春期なんか来る余裕すらなかった。

羽柴 小百合

とりあえず、そこのソファに座って話しましょう。

栗山 茉奈

はい

三人がソファに座った後、重苦しい雰囲気が周りを包んだ。

栗山 茉奈

すいませんでした、全て私のせいです。
私は今まで逃げてきました、めぐみと会うのが怖くて。
でも、謝らないといけないんです。
私はあの時謝れなかったことを後悔してます。
許してもらおうなんて思っていません、それでも親友として私は謝らなければならないんです。

羽柴 小百合

顔を上げて。
ありがとう。
最近のめぐみは昔に比べると、少し元気が出ていた気がするの、あの学校に入れてよかったって思ったわ。
でもこないだから部屋に引きこもってる。
私が思うにめぐみは中学校のことを思い出してしまったのだと思うの。
だから、娘に会うのはやめてもらえませんか、これ以上、過去を思い出させて傷口を広げさせたくないんです。

栗山 茉奈

・・・

長谷川 拓実

待ってください、めぐみさんは葛藤してるんだと思います。
自分が変わるために自分と戦ってるんだと思います。
だからこそ、今背中を押してくれる人が必要なんです。

羽柴 小百合

あなたに娘の気持ちの何がわかるの?
あの子の中学校の時のことも知らないのに。

長谷川 拓実

わかりません、でも学校にいてわかるんです。
言動はきついこと言うけど、無理して嫌いになろうとして。
あいつは学校が好きなんです。
確かに会ってから数か月しかたってないけど、クラスも部活も一緒なんです、学校にいるときのあいつは俺が一番知ってます。

それにわかる。
羽柴はあの時の俺とよく似ていたから。

栗山 茉奈

お願いします、めぐみさんに会わせてください!

羽柴 小百合

でも・・・

俺たちは頭を下げ続けた。

羽柴 小百合

わかったわ・・・

そうして俺たちは彼女の部屋に案内された。

pagetop