天正十年 五月二十一日

安土城 大広間

明智光秀

それでは、行ってまいります、上様

織田信長

うむ。しかと励め

明智光秀

…ときに、上様。先日の件、誠でございましょうな?

織田信長

偽りない。その方が発ったあとは、儂が丹波へと入る。その方は後顧憂うことなく、毛利の地を手にして来るがよい

明智光秀

はっ…仰せのままに

信長様、やっぱぱねぇよ!
出陣なさる光秀様の領地を召上げるなんて…なんて気合いの入る激励なんだ…

バッカ、違うだろ。
いつもの光秀様イジメだよ

織田信長

あれ、なんか儂、またぷろでゅーすされた?

明智光秀

滅相もございません(ニヤリ)

織田信長

ぐぬぬ…

明智光秀

しからば!これにて!

織田信長

う、うむ。では、軍議を終わる。解散じゃ

一同

はっ!

上様、お話は終わりましたかや?

織田信長

あ…う、うん、終わったよ濃姫

濃姫

濃姫などと、他人行儀ではございませぬか。いつものように帰蝶とおよびくださいませ

織田信長

いや、その…ね、ほら、まだ家臣も残ってるし、ほら、蘭丸いるし

濃姫

ふん、小姓など、いてもいなくても同じようなものです

森蘭丸

イラッ

織田信長

こらこら、そんなこと言うんじゃない

濃姫

ならば上様は妾とその貧相な小姓とどちらが大事かや?

森蘭丸

信長をチラッ

織田信長

えっと、いや…その、ね…?

濃姫

はっきりせぬは男の恥でありまするぞ

織田信長

うん、ごめん…

濃姫

それより、上様。先ごろ、例のアレが届いたとうかがっておるのですが…

織田信長

あ、そ、そうそう!今さっき儂の部屋に運び込んでおいたから先に行ってあけておいていいよ。儂もすぐ行くから

濃姫

誠でありますかや!行ってまいります!

森蘭丸

織田信長

…ふぅ

森蘭丸

信長様

織田信長

ん、なに、蘭丸?

森蘭丸

この蘭丸、信長様のことをお慕い申し上げております

織田信長

あ、うん…ありがと

森蘭丸

なんとなれば、この身が憎らしい!もし女人に生まれていたのなら、この蘭丸、信長様とのかわいいやや子を…!(ギリィッ)

織田信長

あ、あ、うん、そう、そうだね、そうだったらいいのになー。あ、そうだ、家康待たせたまんまだった。儂ちょっと行ってくるねー(イソイソ)

森蘭丸

お供します!

織田信長

い、いや、いいから!一人で大丈夫だから!

森蘭丸

なりませぬ!この蘭丸、いかなる時も信長様のおそばにおりまする!たとえそれが信長様の死するときでも!

織田信長

う、うん、あ、ありがと

織田信長

うぅ、濃姫と会うと蘭丸が怖いんだよなぁ…

pagetop