わざわざ、手伝ってくれなくても
よかったのに

いいよ、いいよ♪
一人じゃ大変でしょっ

いや、それほどの荷物でも

もう！気にしないで♪

お、おう？

～♪

まるで
同棲生活
してるみたい♪

ついでに、晩ごはんも
私がつくってあげようかな～

な♪ん♪て♪ね♪

どしたぁ？

こほんこほん……
なんでもないよぉ

なんか
うへへ……って変な笑い方してたし

気のせいだよぉ！

いや、気のせいとかじゃなくて

隼人くん！

ん？

ほら、みてみて！
夕焼け！綺麗だねぇ

おぉ、
明日は晴れだな！

って、話を逸らすなぁ

もう、隼人くんったら
そんなことどうだっていいじゃない

ちょっと、気になったんだよ
何か良いことでもあったのかなって
思ってさ

良いこと……あったよ

え？

なんでもないっ

またかよ……

へへーん

隼人くんと
ちょっぴり良い感じになれたかなっ

ありがとう、千秋くん

はぁ……

神埼さんも帰っちゃったし
僕もそろそろ帰ろうかな……

くそぉ……

あそこにいるべきは
アイツじゃなくて僕なのに……

石塚賢治……
アイツの何がいいんだ？
神崎さん……

僕を振って……
アイツを選ぶって言うのかよ……

いや……

――そうはさせない！

……

なにしてんのよ

なんもしてねーよ

せっかく、昨日
仲良くなれたっていうのに
どうして、アナタは……

なんだよ

はぁ……
呆れた

だから、なんだよ

春奈と昨日の話くらいしなさいよ

うへー
お節介モード今日も絶好調だ……

……

相変わらず仲良くしやがって！！

……？

アイツにガツンと言ってやる！
神崎さんに近づくなってな！！

ていうか、こっちは手伝ってあげてるって
いうのに、その態度はなんなの？

あぁ、わりぃ

……

なんだよ
俺のペースでやらせてくれよ

おい、石塚け

アンタのペースじゃ
友達になる前に卒業よ！

3年に上る前に
俺はここからおさらばだがな

んだよ！
シカトかよ！

いつもそうだ！
神崎さんに近づこうとすると
必ず邪魔が入る！！

……手紙を渡せたのは
奇跡だったよ

いや、あんな手紙なんて……
出さなければ良かったのかもしれない

ねぇ、君

っ！？

くっ！！

……

どうした檜山

……

今、教室を出て行った子

それがどうかしたのかよ

……石塚をずっと見てたんだ
そして、近づいて
話しかけようとして
……逃げた

ほう

アイツ……
なんだと思う？

さぁなぁ

わかんねぇ
けど、こっちの世界の人間で
向こうから
仕掛けてくるってのは……
気になるな

おい、石田
お前なら

へ、へぇ

ねぇ？おかしいでしょう？
高校生なのにケータイ持ってないんだよ？

そ、そうですかね？

見てねぇし
聞いてねぇし……

はぁ

はぁはぁ……

思わず逃げ出してしまった……

さっきの、かっこいい人……
石塚の友人か？

なんで、僕に話しかける！？

まさか……
石塚の邪魔を
しようとしていることに
気付いたか？

仕方ない……
今度は、アイツが一人になったところを
狙おう……