時刻は午前5時、まだ朝早くに霧島 玲は目が覚めた。
まだ眠たい体を無理矢理に起こしつけフッと布団の中で背伸びをする。
ん?………
時刻は午前5時、まだ朝早くに霧島 玲は目が覚めた。
まだ眠たい体を無理矢理に起こしつけフッと布団の中で背伸びをする。
…朝か…
そう言いながらも起き上がる。
そして、頭を掻くのと同時に背中を隠すほどある長い髪が目に入った。ん?待てよ?俺はこんなに髪が長くねぇ。後ろからみたら女だと思っていたが前からみたら男とかいうような紛らわしい容姿はしてなかったはずだ。じゃあ一晩でのびた? まさか、そんなスキルあったらいやがおうでも使わねーよ。
落ち着け、落ち着くんだ。考えろ。昨日俺は何をした? あっ、髪が伸びるジュース飲んだ! 飲んでねーわ。なんだそのジュース、飲む奴なんていないだろ。
お、落ち着くんだ。俺!………あれ?声が…
出した声は、声変わりした俺の声ではなく少し高めな女性の声。あっ…(悟り)今日は声が高い日dayなのね。きっとそれは妖怪のせいなのねそうなのね? ……そうじゃねーよ!
やばい、心底やばい。長い髪に高い声…女要素アリアリじゃないですかぁ。とここで一つの考えが思いつく。まさに漫画の中である展開。それに顔を真っ青にしてナイナイと首をふる。その時やけに胸の方が重たかったが気にしないでおこう。いや、ほんとにきのせいだよね☆
いや…ちょ、ほんと待ってくれ。嘘だろ
覚悟を決めてさっきまで異様に重たかった胸の方へ目線を向ける。そこにあったのは健全な男の子にはないはずのもの。というよりなにこのカオス。僅かにあるソレは、偽物なのではなく俺が触ってみると弾力があった。じゃあ…と、マイパートナーであるアレがあるかを確認したところ…お察しのようになかったよ! いや、これホントどーゆーこっと? ソレがあってアレがないとかなに? カオスとしかいいようがねーだろ!
はは…ありえねー。俺が女になって誰得だよ
僅かにこぼれたそんな震えた声。誰だよ、ホントに誰だよ。俺の人生終わったよ。泣けてくるさね。こんなことできるやつなんて俺一人しか知らねーよ。つかソイツジャン。あっのぉ、キチガイ。なにしてもいいってわけじゃねーだろ。ふざけんな! 俺の、俺の動揺した顔がそんなにみたかったかよ! いや、待てよ?
そうだ…これは夢だ。まだ寝ぼけてる俺には現実との区別がついてないからな!…さて、寝よ寝よ
きっと寝て起きたらいつもの俺に戻ってるさ。髪も声も全て元通り、なんでこれが夢だと気づかなかったんだろ。まったく、俺の削れたSAN値どうしてくれるよ。次目が覚めて元に戻ってたら友達にこの話をおもしろおかしくはなしてやろう。そう心に決めもう一度眠りについた。
あっ、どうも皆様。俺は篠原 蒼です。あおじゃなくてそうって読みますんでよろしく頼みます。へ?なんで自己紹介なんだって? 知るかよ。俺が聞きてーわ。いや、よく考えてみて? 俺の部屋に見知らぬ美少女いるんだけど。自己紹介もしたくなるじゃないですかー! そんなことよりその美少女が問題ですよ。ええ、ですよ。そして、今もなおというよりずっと泣いている美少女を見る。いや、ほんとに誰ですかね? なんか俺が泣かしたって雰囲気になってるけど…出てこいや!誰が美少女泣かせとんや! 世界の男子を敵に回すとはいい度胸だな!
うぅぅぅぅぅ~。ひっく…そぉお
なな、なんでしょしょ、しょうか!?
いきなり話しかけられたのでビビ、ビビってしし、しまったじゃないか。まったく、美少女と話したこともなく女性が苦手な俺になんてことしてくれてんだ。
そう心の中で思いながら隅の方で泣いている俺の幼馴染…玲くん、今は玲ちゃんの近くに歩み寄る。それに気づいてか玲ちゃんは上目使いで涙でうるうるの目を向けてくる。なんという凄まじい破壊力! 無意識でやってるからなお良い!
お、おお落ちち着けよ!
俺は落ち着いてるよぉぉ!
と、とりあえずだだ大丈夫だ!
なにが大丈夫だよ。俺…俺…うぇぇ…
そう言ってまた泣き始める玲ちゃん。なんやこいつかわたんやぁ。男がこんなに泣いてたら引くけど今は外見が女子!しかも美少女ときた許せる! いんだよ玲ちゃん存分に泣くが良いよ。これも全てあの天災が悪いんや。いや、ほんとすいまそん。うちの姉が迷惑かけました。
なな、なんかの、飲む?
その言葉に泣くのをピタリとやめてコクりと頷くれいたん。激カワやぁ。つか、ほんとびっくりだよ。どうやったらそんな女子力たかくなるのさ。ビックリ通り越して怖いよ。あと、今更だけどホントに今更だけど。こいつパジャマなんだなー。俺はもうこの世に悔いはない!! 素晴らしいじゃないですか! 美少女のパジャマ拝めるなんて素晴らしいじゃないか! 俺を崇め奉れ! 間違えたれいたんを崇め奉れ!
ここ、ココアでよよ、よろしいでふか?
あっ、やべ。噛んだ。うーむ。もう限界なんだよな…女子と会話疲れたヤッフーイ!! そもそも何故に俺の部屋にきた!? あっ、俺がこの事件を起こしたであろう張本人の弟だからか。あぶねぇ、記憶飛んでるわ。ふぁっきゅー。
そんなことを思いながらもココアをつくる。いやぁ、美味しそうな香り。美少女とティータイム。あ、あそこにお花畑が見える(意識朦朧)
でで、なな、なんのようですかね!?
俺…これからどうすればいんだろ…
おお、俺にきき、聞くなよ!
それよりも、お前ほんとうに玲なんだろうな?
当たり前だろ!俺も好きでこんな格好してるわけじゃないんだ!
怒ったように言う玲。ガブガブ焼けのように俺の最高傑作ココアを飲みながら玲は最後おれを必死に懇願するように見てきた。え?蒼くんなにもできないよ? そんな上目遣いで見てきてもお…俺はくっしねぇ!!(達成感)
なぁ、寝てきていい?
お、俺を見捨てるなんてことしないよな?
いやだって、やっぱ信じられねーし!俺もう一度寝て夢から覚めてくる
現実なんだ…蒼…
うっそーん。やめて!?ねぇやめて!? そんな別れ話をしている時みたいな悲しくて真面目そうな顔しないで!? 俺の日常…すでにどっかいっちゃったよ。誰だおい! 俺のにちじょう返しやがれ!
おおお、俺はげげ現実なんて…信じないからぁ
おい、まちやがれ
ややや、やめて!?そそその手をはは、はなしてっー!おおお、おんなにに苦手…
おい、聞いてたか?俺は男だ!
あっ、そうだったわ。女じゃないならいける
その言葉を聞いて玲ちゃんは後ずさる。それはもう素晴らしいスピードで。え?何故に?
おま…まさか…ほ――
言わせねーよ?誰がホモだ。帰れ。今すぐ帰れ俺の幼馴染ふぁっきゅー
ごめんなさい!!お願いします。なんでもしますから!!
おいおい。ただでさえ美少女なのになんでもしますとか言ったらダメだろ。だからこの世の男たちが狼化するんだ。まったく、鈍感な美少女に出会ってしまったぜ!
まぁ、俺は鍛え方が違うからな。こいつ相手に欲をだしたりなんかしない。というより出したらヤバたん。
はぁ、この先やってけるか?