さいきん、ごはんが増えた。
なんか、今までたべたことないのも
出てくるようになった。
それはうれしいんだけど
あんまりあそんでもらえなくなった。
お外がくらくなってくると
僕をおいてどこかにいっちゃう。
きょうもどこかへ行くみたい。
行かないでよ。
お外はさむいよ。
白くてつめたい物が、上からおちてくるよ。
あたたかいところで、いっしょにあそぼうよ。
……行っちゃった。
……つまんない。
つまんない。
つまんない。
つまんない。
つまんない。
つまんない。
……よんでも来てくれないや。
……ん?
あそこ、あいてるなぁ。
そうだ!
おそとまでおいかけて、
あそんでもらおう!
どこに行ったのかなー?
見つけたら、かみついてキックするぞ。
……いない。
向こうかな?
行ってみよう。
からだが
うごかないや……
……これじゃもう
あそべないなぁ……。
……さむくなってきた。
・
そんなかお、しないでよ。
ごはん、おいしかったよ。
いっしょにあそべて、たのしかったよ。
ひざのうえ、あたたかかったよ。
今はもう、あそべないかもしれないけど
もし、また会えたら
こんどもあそんでね。
薄茶色の虎柄の男の子に
二度目の春は訪れなかった。
もし再び会えるのなら
あの時、遊べなかった分だけ
一緒になって遊びたい。
一期一会
《完》
>橋本ピッツアさん
コメントありがとうございます。
そうですね。当時はもう何もできなくなりました。私も歳を重ねてしまったので、いつかこのまま私の記憶とともに消えてしまうのであれば、と思い、今回筆を執りました。