しょうた

ふう……。
どうなることかと思いましたよ。

もなみ部長

予選突破おめでとう!

めいこ

うむ。大したもんじゃ。

りつこ

まぁ、あれくらいやってくれないとね。

しょうた

ありがとうございます。
でも、ラッキーだったんだと思います。

もなみ部長

そうね。
そういえば司会者の女の人が
何か耳元で言ってたけど、
あれってなんだったの?

しょうた

ああ、あれは
僕が負けそうになったときに
司会者の女性が助けてくれたんですよ。

もなみ部長

ええ!?
そうなの!?

しょうた

そうみたいです。
なんで助けてくれたのかは
謎なんですけど……。

そう、あの時、僕は
助かったんだ……。

ちょうど、BPMが120に変わった時だった。

勝負は互角だったんだけど、
僕の体力がなくなりつつあって、
あの時、負けを覚悟したんだ。

轟 大二郎

ムハハハハハ! オレの勝ちだな!
少年よ!

しょうた

ひぃー! こんなの弾き続けられないよ!

赤髪のモネ

(大丈夫安心して)

しょうた

え?

赤髪のモネ

(アタシがヤツの動きを止めるわ)

しょうた

え? そんなこと……

すると司会の彼女は、轟 大二郎の後ろにまわり
耳元でなにやらささやいた……。

赤髪のモネ

はぁ……。
はぁ……。
はぁ……。
いいわ……。最高よ。
でも、ゆっくり弾いているところも見たいわ。

轟 大二郎

うおおおおおおおおおおお!
心得た!

そして、轟大二郎のリズムが狂ったのだ。
BPM120をキープできなくなった彼は失格となった。

しょうた

という事なんですよ……。

めいこ

ふむ。しょうた殿の魅力の勝利というわけじゃな。司会者の気持ちも分からないでもないが。

りつこ

ふん……。しょうた君のどこがいいのか。
まったく不明ですね。

もなみ部長

で、でも!勝ちは勝ちよ!
この調子で頑張って!

しょうた

は、はい!

次の試合は、コード当てクイズ……。

ボクはここで、試合の怖さを知ることになる。

つづく……

第十回「予選突破!」

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