むかし、むかし、ひと里離れた山の奥におじいさんとおばあさんが住んでいました。

ふうぅ、寒いのう……

年も迫った大晦日、おじいさんは雪の中をたきぎを売りに町に出かけて行きました。

…………

途中、自立金髪ツインテールハゲ裸男を見かけました。おじいさんは雪を払ってやり、こう言いました。

髪がなくて寒いじゃろう。町でなにか買ってきてやるからな。

…………

おじいさんはたきぎを売ったわずかなお金でヅラと適当な服を買いました。帰り道、自立金髪ツインテールハゲ裸男の頭にヅラをつけてやり、適当な服を着せました。

…………

その姿は立派な魔王でした。

これで暖かいだろう。

おじいさんは元自立金髪ツインテールハゲ裸男に一礼し、帰路につきました。

…………

…………

おじいさんはおばあさんにこの話をすると、おばあさんはとても喜んでくれました。

今日、途中で自立金髪ツインテールハゲ裸男を見つけての。かつらと服をつけてあげたんじゃ。

おじいさん、いいことしたね。

そして床に入りました。

その晩のことです。誰かが歌を歌いながら家の方にやってきます。

親切なおじいさんの家はどこかいな。ヅラをかけてくれてありがたい。親切なおじいさんの家はどこかいな。ヅラをかけてくれてありがたい。

その声は地の底から響くような暗い声でした。

親切なおじいさんの家はどこかいな。ヅラをかけてくれてありがたい。親切なおじいさんの家はどこかいな。ヅラをかけてくれてありがたい。

声はだんだんと大きくなって、おじいさんの家の前まで来ました。

親切なおじいさんの家はここかいな。ヅラをかけてくれてありがたい。

うひゃあ!

入り口を力強くたたく音に驚きおじいさんとおばあさんは目を覚ましました。

いったい何事だい……

うひゃあ!

なおも壊そうとするかのように入り口は激しく叩かれます。

いったい誰が……

…………

ぎゃああああ!化けものおおお!

お、お前は!

親切なおじいさんの家はここかいな。ヅラをかけてくれてありがたい。

自立金髪ツインテールハゲ裸男!

恩をあだで返すなんてなんてハゲじゃ!

……勘違いしないでいただきたい。

わたしはお礼をしに来ました。

家を壊して何がお礼じゃ!

あなた方二人にはわたしの家臣になってもらいましょう。

か、家臣じゃと?

はい、魔王の、わたしの補佐をしてもらいます

では行きましょう

後に魔族の間で二人の人間の功績が長い間語られるが、それははまた別の話である。

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