次の日僕以外の奴らは、朝から海でボディーボードやスノーケリング等のマリンスポーツを楽しんでいた。まっ僕は運動音痴だから参加辞退だけどね。
次の日僕以外の奴らは、朝から海でボディーボードやスノーケリング等のマリンスポーツを楽しんでいた。まっ僕は運動音痴だから参加辞退だけどね。
それにしても香川君の作る朝食は相変わらずこってりしてたなあ、あんなの自分のウチで毎日食べてるのかな?
そんな事を思いつつ、僕は前から一度やって見たかったデッキチェアにすわり、トロピカルジュースを片手にくつろぎながら海をぼーっと眺めていた。
抜けるような青空!真夏の太陽!綺麗なビーチ!しかもビーチは真っ白なパウダーみたいな砂、早朝散歩した時ここら辺を歩いたけど、砂が柔らかく足を包み込むような感じで、ずっと動かないでいると、足が自然と沈み込むような感じだった。そして梶本父の取り計らいで、この一番のプライベートビーチを貸し切りだ。 僕はこんな綺麗なビーチで過ごせる喜びを全身で噛み締めていた。
ああ、最高だな~椰子の葉でできたビーチパラソルの下でマンゴージュースが飲めるなんて
最高!ああ、日射しが微かに射し込こんでくる熱帯の特有の風が頬をかすめる、でも埼玉の暑さとは全然違う心地よさがあるな。あっ、日差しが強くなってくる、強い日差しがあると眠さに拍車がかかるな、遠くで笑い声が聞こえる、あー眠くなる。
僕は目が段々と重くなっていった。
おやすみなさい
えっいいの?
クスッ
さ~ん に いち
うん?
バッシャーン!!!!
ヒェ~~~~~~~~~~~~冷てぇ~~~~~!!
頭から降り注いできたのは、バケツ一杯の氷水、笑い声と共に玲奈の声が響き渡る、
ハイ!! トロピカルジュース!お待ちどうさま!!
あのね、それを今飲んでたの。冷たい!!!
でも怜奈の水着って初めてみたけど背が小さい割りに意外と大き、うん?何か視線が気になるああ! いや、そんな事考えてる場合じゃないだろ!清水は今の俺の狼狽ぶりをスマホで撮影しているし、って言うか、そんなの動画サイトにアップさせないぞ!
コラ!待て!清水!
待てと言われて待つほど俺が素直じゃないことは、良く知ってるだろう?
ダッシュで立ち去る清水、
全くそんな子供だましな挑発に~乗るに決まってるだろ!待て!清水!
ハハハ~
昼食は、香川が朝イチで用意してくれたローストビーフ、タンドリーチキン、スパイシーポーク、シーフード等のいろいろな種類のサンドイッチを皆で食べた、僕は卵とカニかまサンドが一番美味しいと感じた。昨夜食べた食事は美味しかったけど、肉と炭水化物ばかりの食事でちょっと胃もたれ気味だったのでちょうど良かった。
午後は僕もビーチバレーに参加したけど球技は相変わらず苦手なんだと自覚したのでそのあとは近くにあるマングローブの茂みにいたヤドカリを見て過ごした。
そして僕が直径10センチ位のヤドカリを見つけてびっくりして誰かに教えてやろうと思って振り返ったその時香川と中西が昼食の後片付けをしていたのが目に入った。昼食の後片付けは清水の提案で二人にやらせるように誘導したんだけど、でもやっぱりお互いに意識して距離を取っているのが分かった。
。。。。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
でもどうしたら良いんだろう?こうなったら一人一人説得するしかないのかな?
そんな事を考えていると背後で怜奈と関口の話す声が聞こえた。
も~しつこいなあ、関口は!しつこい!
え~ダメだよ玲奈さん負けたんだから、俺が勝ったら一緒にスノーケリングするって言ったじゃない
どうやら、隣のスカッシュ場で二人はいつのまにか勝負していたらしい。関口は中学の時テニス部のキャンプテンだったって言ってたからそりゃ強いだろうな。
それは強いだろうね
うわっあの!人の独白の中の考え読んで会話を繋がないでよ!頼むから!本当に怖いよ
どうしてこの人っていつもこうゴルゴ的なんだろうね?服装は正反対なんだけどさ
悪い、フフ
そういたずらっぽく清水は言うと少しだけ考え込むような表情になり
まあそれは置いといて、この後をどうするかだね
とつぶやくように言った。
そうだね、正直僕もどうしたら良いのか今のところ分からないよ、中西さんと香川君の無くしてしまったものって何だろう
何だろうね、でも困ったもんだな
その一方で怜奈と関口に目を向けるとまだ言い争っているのが分った、でもその光景は何んだか見ていて微笑ましい気分になる、嫌味が全く無くて見ていて気持ちが良くなる。
そんなこと、む、無効!
無効ってそんなー
じゃあ、時効
意味がわからないよ
撤回、棄却、却下!
そんな事まで言わなくてもいいじゃん
ごめん分かったから、じゃあ~!皆で観光スポットに行くことで譲歩していいよ
えっ?勝負に勝ったほうが、譲歩されるとか訳わかんないよ~
それが嫌なら一切無しでもいいの?
わっわかりましたよ~もう怜奈さんにはかなわないな
……
一瞬僕の方を怜奈が見る、怜奈の表情が少しだけ寂しさを表していた。だけどその感傷的な雰囲気は次の瞬間、僕の後ろで何か大きな物が倒れるような音がして打ち消されてしまった。でもそれは物ではなく香川だった、皆でびっくりして集まる清水が素早く脈を計り目の瞳孔を覗いている、直ぐに皆も駆けよる。
香川!
う~ん
弱々しく香川は頷く。
俺が誰か分かるか?
清水が大きめな声で呼びかける。
ああ、大丈夫だよ、なんか急に気持ち悪くなってね
そうか、今朝インシュリン注射はしたのか?
いや、料理の仕込みに夢中になってわすれ
そのあと香川はまた気を失ってしまった。
まずいな、糖尿病性昏倒だ、何とかしないと
清水君、香川はどうしちゃったの?
血液に栄養が有り過ぎて、脳がオーバーヒートしてしまったような状態だよ
そうなんだ
松くんひとつ頼まれてくれるかな?彼の部屋にペンケース位の大きさの箱のなかにペンライトみたいな注射器が有るだろうから、箱ごと持ってきて、それと恐らく冷蔵庫のなかに、5、6センチの大きさのガラス容器に入ったインシュリン液体があると思うから、取って来てくれないか?
わ、分かった
田中は、キッチンから麦茶か何か持ってきてくれ
了解
梶本さんは悪いけど香川君のお母さんに連絡してインシュリンの単位数を確認してくれないか?
OK インシュリンの単位数でいいんだね?
そう頼むよ
関口君悪いけど肩を貸してくれ、香川君を日陰に移動するから
分かった、あそこの木陰のデッキチェアの上でいいのか?
そうだね、そこがよさそうだ
僕はビーチから香川の部屋に入ると、バッグの中を探したがインシュリンの注射ケースらしきものはなかなか探せなかった。
無いな~どこだろ
恐らく、ウエストポーチの中に入ってると思うよ
少し驚いて振り向くと中西さんがいつのまにか僕の後ろにいた。
あっ中西さん
中西さんは彼のウエストポーチからインシュリンの注射器ケースをすぐさま取り出し僕を促した。
急ごう!
そうだね
その後僕達は、冷蔵庫から分量が分からなかったのでインシュリンを箱ごと全部ビーチまで持っていった。
清水!インシュリン!
有難う!あとはインシュリンの分量、単位数だな
そうなんだ、でも僕達じゃわからないよ
梶本さん、香川君のお母さん電話つながった?
ごめん、何回も掛け直しているんだけど、留守電になっちゃうよ
普通は15単位なんだけどね、ただインシュリンは単位数が重要だから間違うともっと悪くなってしまう、どうしたものか。石垣の医者は今日は遠方に集団診療で全て不在だからな
その時中西は緊張気味に言った。
それなら恐らくいつも15単位づつ打ってたと思う、清水君の言ってる通りだと思う
そうかやっぱり15単位でいいのか、それなら
清水は注射のメモリを15に合わせて香川のシャツをめくり、おなかの下の方に注射を打った。
インシュリン注射って腕にするんじゃないんだね
そうだね
僕は清水の手際の良さに目を見張るばかりだった。清水のこの落ち着き払った態度、的確な指示、正確な処置。まるで本当のお医者さんみたいだな、最初の2次活動でショッピングセンターで永田とか言う3年に注射した時と同じ雰囲気、そんな感じがした。
清水君が香川君に注射をしてからそれほど時間は経っていなかった、恐らく10分くらいだろうか、でもその時間香川が目を開けるまでがとても長く感じられた。
しばらくすると香川はゆっくりと目をあけると、ボソッと言った。
あれっ俺どうしたんだっけ??
みんなが安堵の顔になる。
良かった!
驚かせやがって!でもよかった~!!
関口が大声で香川君の肩を叩きながら言う。
香川君、清水君が的確な判断をしてインシュリン注射をしたんだよ
そうか、すまなかったな皆、本当に迷惑をかけたな
でも良かったね、これで最後まで楽しめるじゃん!
怜奈はいつもポジティブだな~
え~何かその言い方気になるね!コーキ!
いや、そう意味ではないけどさ、アハハ!明るいっていいことだねって言いたかったんだよ!
皆で笑う、でもその中に中西さんの姿は無かった。
あれ、中西さんは?
はなさんは大きな瞳のまぶたが少しだけ下がり気味に心配そうな表情を浮かべ
ちょっとあっちのビーチの方にいったから、呼んで来るね
と言い西側のビーチに向かって行った。
そしてしばらくするとはなさんは一人で戻ってきてさらに浮かない表情をしていた。
あのね、まゆちょっとさっきの事かなりショックだったみたいなんだ、今自分の事落ち着かせているから、後で戻ってくるって
そうなんだ、どうしたらいいんだろう
清水も皆も黙り込んでしまった。
その後しばらくして中西さんは戻ってきたがビーチに来ることは無く部屋に戻ってしまい、出てこなかった。
その日の夕方、くじ引きで僕は負けてしまい買い出しに近所のスーパーに行かされる破目になってしまった。
え~と地図はと、だいたい~この方向音痴の僕に一人で買い出しに行かせる事に無理があるよ~いくら近所のスーパーでも、え~とスーパーの名前はと、え~とあった!あったぞ!スーパー!金城スーパーえ?しゃれ?
まあいいかさてと必要なものはと、島にんじん、島豆腐、豚肉、ごま油、マカデミアンナッツっと、え?マカデミアン?ハワイのお土産で有名な?
買い物リストを見ると、マカデミアンナッツの字だけ明らかに筆跡が違う。
あの野郎~こんなもの香川が書いたリストに書き加えやがって~除外だ除外!どんだけハワイ好きなんだよ一体。
僕はスーパーの棚にマカデミアンナッツを戻す、3500円もするじゃねえか!
あと~これとこれとこれとよっこいしょっとレジはあそこだ
そしてレジまで行くとそこには中西がアイスクリームを何個か手にして立っていた。
あっ
あっ
お互いに指差して立ちすくんで笑ってしまった。
全くなこも何考えてるのか、いきなりアイスクリームたべたいから全員分買ってきてなんだもん普段あんな風に頼まないのに変なの~
ごめんね中西さん恐らく誰かにそう言えって、言われたんだと思いますと心のなかで陳謝。
中西さん、少し話せないかな
えっ?いいけど、じゃあアイスにドライアイス詰めてもらうよ
その後僕達は近くの公園に向かった。
どう?楽しめてる?まあ、今日はちょっとびっくりしっちゃたけどさ
う、うん、なこもいるし梶本さんとは余り話した事なかったけどさっぱりした性格ですごく話しやすくて楽しめてると思うよ
思うよか、この表情じゃ楽しさ半分ってとこかな。
あのさ、聞いたんだけど香川君とは同じグルメ倶楽部なんだってね
う、うん
この表情は、迷い、後悔、悲しみやっぱりあの日グルメ倶楽部で本心ではなかったにしろ自分の言った事自体を後悔してる。初めは彼にその事を聞かれたと思い込んだからその事を後悔してるんだと思ったけど、そうじゃない。
香川君とここに来るちょっと前ファミレスで偶然あったんだ、凄い量の食事を注文してたんだよね
口が横に引きつっている、この顔の強張り方は"強い恐怖"、彼を心配しているんだな。
病室にあじさいが置いてあったんだ。あの花お母さんが飾ったのかな?僕と同じで友達多くなさそうなんだけどね。僕実はじいちゃんのところが花屋さんでね、花言葉少しだけしっているんだ、あじさいの花言葉は”素直”だったと思うんだけど
"動揺"の表情か、やっぱり花の贈り主は中西さんか。
あっそうそう、話が脱線してごめんね、で、レストランで僕がそんなに食べたら死んじゃうよって怒鳴ったら、彼やけになっててね、もうどうなってもいいっ!俺は全て無くなってしまった、だから食べる事しかないんだ!って、僕思うんだ、恐らく彼の空腹感って、食欲では満たせないものなのかな、なんて、だから、いくら食べてもお腹一杯にならないんじゃないかな中西さんどう思う?
病室にいる時彼、僕達が話しているときも時々あじさいの方を見てたよ何を求めているんだろうね
中西さんは目に一杯涙をためて今にも泣き出しそうになっていた。
か、彼に隠してる事がある、その秘密を彼はどう思うのかと思っていつだっか覚えていないけど香川君に思い切って告白しようとした事があったの。でも私が勇気を出して告白しようとする寸前に、香川君はこういったの、俺みたいな不細工で太ってるのが中西みたいな綺麗で可愛いのと話せて嬉しいなって
それで?
そ、それで
その後中西さんは、大粒の涙を流し声を引きつらせながら本当の事を話し出した。
ひっく、うえ、ぐす、自分のありのままを出せてる彼の事が好きになったけど、私自身の秘密をどう説明していいか、うぇっグス、ヒック、もし、自分が整形して昔とはまるで別人みたいに変えてしまった事を彼が知ったら怖くて
そうかそう言う事だったのか。
それで気持ちをどうしたらいいか分からなくなってしまったんだね。本当の事を言う勇気をくれたのも香川君だった、でも、その勇気を摘みとってしまったのも意図的では無いにしろ彼だった、そう言う事だったんだね
彼は何も悪くないと思う、だけど、ある日友達に香川君との事を冷やかされて気持ちの整理がついていなかったから、香川君に対する気持ちが、混乱して分からなくなってしまって、それで、自暴自棄になってしまって
心にも無いことを言ってしまった、でもそれは言った自分も傷ついてしまったんだね、辛かったろうね
何か、どうでも良くなって、他のグルメ倶楽部の人たちみたいにうわべだけの事話してればいいやって思った、最低だよね
いや、辛かったと思うよ、その後どう感じたの?
虚しかった、何かなくなっちゃったみたいな感覚になって、昔の自分だけじゃなくていろんな思いとかが
偶然だね
えっ?
さっき言ったとおり彼も、たぶん、香川君も同じ気持ちだったと思うんだ、無くなっちゃったって思い込んでいるものが
中西さんと、香川君の無くなったと思いこんでいるものって何なんだろうね?
中西の目からは真剣に何かを考えている力が感じられていた。
中西さん、僕思うんだ、恐らく香川君が中西さんの事綺麗だって言ったのは別な意味もあるかもよ、ぼ、僕、あんまりこういう事って得意じゃないから間違ってるかも知れないけど、人の綺麗なのって見た目より案外その人の仕草とか表情がいいなって思うんじゃないかなんて、そして一番はここなんじゃないかな
僕は自分の胸に手をあてる。ちょっと気取ったポーズなんじゃないかと自分でも思うけど。
彼はまだ待ってると思うよ、こういう事ってさなんか一度タイミング逃すと話しづらくなっちゃうよね、でももう一度伝えてみたら?中西さんの気持ちとか彼に対して全部さらけ出して自分自身素直になりたいなら、その、あの、せい、いや、コスメ的なお医者さんにかかって見た目変えた事とか
大丈夫かな、自信ないな
信じてみなよ良い奴だよ、ちょっと食い意地ははってると思うけど
ぷっふふっ、そうだね、分かった、今から話してみる
そうしてみなよ
有難う、私先に行かなきゃ
アイスクリームは僕がもってくよ
有難う、じゃ!
ああ、またね
僕は彼女がロッジに急ぎ足で戻るのをみてちょっとため息をつく。
あーちょっと疲れたな~なんか僕生徒会入ってからこんな事ばかりしてない?まっいいか。
そんな事を思っていると後ろからパチパチパチパチと拍手の音がした、振り替えると予想通り清水がそこにいた。
あーそこにいるんなら、何で出てきてくれなかったんだよ~
いや松くんの説得術にはいつも驚いてばかりで、思わず息をのんで魅いってしまったんだよ、悪い
いやまあ、説得というかお互い誤解とかですれ違ってたらそんなの悲しいかなと、だからもしそうだったら解いておいた方が良いかなと思って話しただけだよ
そうか、これで上手くいってくれるといいんだがな
うん、そうだね
でもなんと言ったらいいか分からないけど、俺は松くんと生徒会の仕事ができて本当に良かったと思っているよ
はいはい、そうですか~それは光栄ですよ~
僕は少しおどけた表情で言う。
松くんはどうなんだい?生徒会活動ここまでやってきて
僕は……最初は本当は嫌でしょうがなくて抜け出したかったけど、今は
そう言いかけると清水がやさしく遮るように話してきた。
俺は戻るけど、松くんはどうする?
僕は、もう少しここにいるよ
そうか、じゃあ戻る前にこれを見せておかないとな
えっなんだい?
一昨日白石からメールが来てて、ほら
そう言うと清水君は僕にスマホを渡してきた。
松くんも読む権利があると思うから、じゃあ、俺は行くよ、あっ、スマホは戻って来たら返してくれれば良いから、それとアイスは女性陣が待ってると思うから俺が引き受けた
そう言うと清水は立ち去っていった。
スマホの画面を見るとそこには、白石菜月からの近況が楽しそうに書かれていた。
清水君、元気?あとメールありがとう。こっちは、まだ知り合いが誰もいないので、しかも日本語すら話す機会もあまりないので、心細い毎日です。自分の意志でケニアに来たいっていっといて自分勝手だよね~www
清水君、マカオの公園で言われたあの言葉今でも心に響いてます、今真剣にこれからの自分の事とか考えているんだ。(それでも清水君や、松くんが経験した辛い事なんかには到底及ばない程の真剣さだけど~)まだまだ親の手の中で遊んでいるだけなのかも知れないけど、最近自分なりにぼやっとした目標というかたわいのない夢の範囲だけど、できたら獣医になれたら良いなあなんて考えてます。そしてね、実はその事おじいちゃんにも思い切って話したら以外にも賛成してくれたの!
将来的には、新薬のラインナップにペットの薬も考えたいから、獣医なら文句は言わん!だって、相変わらず強欲頑固ジジイだよ。
おかげさまで、前より家族と距離的には離れてしまったけど、ずっと気持ちは近くなれた様な気がする、本当にありがとう。
松くんにも、公園で掛けてもらった言葉がシンプルだったけど救われました。お礼言っておいてくれると嬉しいな。あと梶本さんにあんなこと言って本当に後悔してます。そしてあれだけ本気で怒ってくれて嬉しかったとそう伝えて下さい。
追伸 あと実は松川くんの連絡先聞いてなかったから、本人に許可とった後で教えてね。
香港、マカオではいろいろありがとう。今考えると、本当に自分がわがままで子供だったと思う。成長してしばらくしたら生徒会のみんなと梶本さんにまた会いにいきます。
ではまた。
ケニアより
白石菜月
さあてと、戻りますか。
ベンチから腰を上げると、僕はなんだかとてもいい気分になれた。
二次活動、最初は嫌で仕方無かったけどなんだか自分の事を少しだけ成長させることができたんじゃないかと思った。