ある時ナマケモノのもとに、一羽の鳥がやってきて尋ねた。
ある時ナマケモノのもとに、一羽の鳥がやってきて尋ねた。
浮かない顔をして、どうしたんだい
実は俺、人間に不名誉な名前を付けられて
ナマケモノ。
酷い! それならこっちも、人間に名前を付けてやろうじゃないか
案は色々と出た。
うじ虫、寄生虫、ゴキブリ、猿、ゴリラ、ハイエナ……。
しかしどれも、すでにいる動物たちに失礼だ。
鳥は困り、
馬鹿でどうだ
馬さんと鹿さんに失礼だよ
なら阿呆でいこう!
ようやく決まった。人間にふさわしい名前が。
鳥は飛び立つと、人間に向かって力の限り叫んだ。
アホウ! アホウ!
聞き届けた人間は、その鳥の名前を決めた。
(了)