むかし、むかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは竹を切ってかごやざるを作って暮らしていました。

ある日のことです。いつものように竹林に行くと、光っている竹が一本ありました。切ってみると何と女の赤ん坊が入っていました。おじいさんとおばあさんには子供がなかったので「かぐや姫」と名づけて育てることにしました。それからというもの竹を切りに行く度に、おじいさんは竹の中にお金を見つけお金持ちになりました。
赤ん坊はすくすくと育ち、とても美しい娘になりました。

いいなぁ!私もこんな可愛い女の子に産まれたかったぁ!

うるさいなぁ姫羅璃(きらり)は
いつまでかぐや姫の話してんの?

キラリ

卓哉には分かんないだろうねぇ
それに!私のこと姫羅璃って呼ばないでって何回言ったらわかるの?
私はかぐや姫!
かぐやって呼んでってずっと言ってるのに!

卓哉

実家が家具屋だからか?

キラリ

ちがう!

なんということのない平日の朝
三日月(みかづき)姫羅璃(きらり)と水谷(みずたに)卓哉(たくや)は学校へと向かう途中だった。

二人は小学校の頃からの腐れ縁である
いわゆる幼馴染だ
家も隣で家族ぐるみの付き合いである

キラリ

こんな綺麗な女の子に産まれてたらよかったのになぁ……

綺麗な人だ私の妃にならないか?

キラリ

とか言われたいなぁぁぁぁ!!

卓哉

うるさい
大人しく竹の根元に出も埋まってて
てか上の男の人誰?

キラリ

乙女の夢を壊さないの!

三日月姫羅璃
どこにでもいるはずの女の子

しかし、彼女はこれから変わってゆくのであった

かぐや姫へと……

キラリ

あっ

卓哉

あっ

キラリ

遅刻じゃん!

変われる?

はじまりのはなし:わたしはかぐやひめ!

facebook twitter
pagetop