むかし、むかし

あるところに浦島太郎という心やさしい漁師が住んでいました。
ある日のことです。

浜辺を歩いていると一匹の亀が子供達にいじめられているのを見ました。

そこで浦島太郎は亀を助けてやりました。

数日すぎたある日、
いつものようにつりをしていると亀が海から出てきました。

浦島太郎さん、僕はこの間あなたから助けられた亀です。お姫様があなたを竜宮城におつれしなさいというのでお迎えにまいりました。

浦島太郎はさっそく亀のこうらに乗ると海の中に入っていきました。

竜宮城はさんごに囲まれ、魚が泳ぐ、それはそれは美しいお城でした。

お姫様はそれはそれは美しいお方でした。

乙姫

浦島太郎さん、どうかごゆっくりしていって下さい。

浦島太郎は時間のたつのも忘れて楽しみました。
まるで夢のような毎日でした。

数日が過ぎ…

浦島太郎は村のことやお母さんのことを思い出しました。
ついに別れの時がやってきました。


別れぎわ、お姫様は浦島太郎に小さな箱を手渡しました。

乙姫

浦島太郎さん、もし困ったことがあったら、この箱を開けなさい。

亀に乗って村に帰った浦島太郎は、
どうしたことか自分の家もお母さんも見つけられませんでした。
村はまったく変わっていました。

どうしたらよいかわからなくなってしまい、
箱を開けてみることにしました。

すると白いけむりが出てきて、
浦島はあっという間におじいさんになってしまいました。

竜宮城で楽しく過ごしている間に、
何百年も経ってしまったのです。



 

今どこにいるのか、
そしてここが夢なのか現実なのかわからなくなってしまいました。

それから数日後…

浦島太郎

はぁ、これからどうしよ・・・
竜宮城から帰ってみたら百年以上経ってるし。
乙姫とかいう奴は「困ったときは開けろ」とか言ってたのに、開けてみたら…ハァ…

浦島太郎

ご覧のあり様じゃよ!

浦島太郎

はぁ…こうなるなら、あの亀公助けなければよかったなぁ…

あの…

浦島太郎

あ!貴様は何時ぞやの!!

うわ!なんかいきなり悪者扱いされてる!!

浦島太郎

何でこんな姿にした!
もしや、貴様図ったな!?

いやいやいや!図ってないから!!

そんなことより浦島さん。
乙姫から手紙来てますよ。

浦島太郎

何じゃい、あのクソビッチから手紙じゃと?

それは言い過ぎだよ!
乙姫様悪くないもん!!!

浦島太郎

…で、手紙の内容は・・・

乙姫

親愛なるURASHIMAきゅんへ

この前は本ッッッッ当に( TДT)ゴメンヨー
何かの手違いで嫌な奴粛清用の偽玉手箱を渡しちゃったみたい。
あっ、別にあなたの事を嫌な奴とか全ッッッッッッ然思ってないから!!本当!!!!信じて!!!!!!!!!
で、お詫びといってもなんだけど…
貴方の姿を元のイケメン男子に戻してあげる。
それに、時代を今から100年前に戻す事が出来る本物の玉手箱もあ・げ・る♪
とにかく今すぐ戻ってきて。
お・ね・が・い(´▽`*)

かわいい乙姫より。

浦島太郎

よし、叩き潰そう。

やめてェ!

浦島太郎

だって絶対罠でしょこんなの。
ま~た俺を罠にはめる気だよ・・・

はぁ、疑い深いですね・・・

と~に~か~く!
行きますよ、ほら!

浦島太郎

えー?

浦島太郎は「仕方ないか・・・」と思い…

竜宮城まで戻ってきました。

浦島太郎

正直行きたくなかったのじゃが…

でも元の姿に戻れるし、元居た時代に戻れるんですよ?
一石二鳥じゃないですか。

浦島太郎

まぁそうだけどさ?

乙姫

あ~!
浦きゅ~ん!

浦島太郎

あ!貴様は何時ぞやの!!

乙姫

ちょっと?
あれ~?

浦島太郎

貴様ぁ!よくもだましたなぁ!
早く元の姿に戻せ!それと100年前に帰えせ!!

乙姫

まぁ、してあげるけどさ?
心優しかった浦島太郎さんはどこいっちゃったのかな~?

浦島太郎

そりゃこんな仕打ちされたらキレたくなるわい・・・

乙姫

まぁこれ飲んで落ち着きなよ!

そういって乙姫が差し出したのは
手のひらサイズの小さな小瓶でした。

浦島太郎

この・・・瓶の中に入った薬を・・・か?

乙姫

うん、イッキで。

浦島太郎

イッキといっても、すぐに飲み終わるけど・・・

浦島太郎

・・・何も変わらないじゃないか。

浦島太郎

さてはお前、
やっぱり騙したな!?

乙姫

いやいや、もうすぐ効くと思うよ。
うん。

浦島太郎

え・・・?

突如大きな爆音がしたかと思うと、浦島の体は・・・

浦島太郎

ハッ!体が・・・元の・・・姿に・・・

なんと!元のイケメンに戻ったのです!

浦島太郎の歓喜の叫びは海中に響き渡りました。

浦島太郎

うん!いつもの体だ!
よし、あとは元の時代に戻るだけだ!
乙姫様!本物の玉手箱を!

乙姫

あ~・・・それが~・・・

浦島太郎

ま・・・まさか・・・

乙姫

そのまさかよ・・・

乙姫

本物の玉手箱、
誰かに奪われちゃった♪
テヘッ♪

浦島太郎

・・・(イラッ

浦島太郎

オイ、亀。
もうコイツぶん殴っていいかな

やめろォ!

浦島太郎

まさかお前・・・
何か知ってるな?

いやいや知らんから!初耳だから!
われなんもしっとらん!本当!トゥルー!
マジトゥルー!

というか乙姫様なんで今まで黙ってたのよ!?

乙姫

いや、今気が付いたから仕方ないじゃん。

浦島太郎

よし、殴ろう

だからやめろォ!

クールダウンなう

クールダウンなう

5分後

浦島太郎

ったく、なんでよりによって玉手箱が奪われちゃうんですか・・・

乙姫

いやぁ、それがね?
気が付いたら玉手箱なくなっててね、おいてあった場所にこんなのが置いてあったのよ~

浦島太郎

手紙・・・
犯人からの声明文とか?

とにかく見てみましょう!

浦島太郎

どれどれ・・・

貴様の大事な玉手箱はいただいた。
帰してほしければ我がアジトまで来い。
ただし、期限は3日までだ。
3日以内に来なかったらこの箱は燃やす。
お前が迷わないよう、アジトの場所を同封の地図に記しておく。
必ず来い、今すぐ来い。

鬼ヶ島の鬼一同より

浦島太郎

・・・

乙姫

あらあら、これは大変ね。
鬼ヶ島なんて3日で行ける訳無いじゃないですかやだ~wwww

うっわ、この姫危機感微塵もねぇ・・・

浦島太郎

鬼ヶ島・・・か・・・

浦島さんも知ってるんですか?

浦島太郎

えぇ知ってますよ・・・
鬼たちの溜まり場でしょ?
本当はあんなところ行きたくはないよ?
でもそこにこの時代から出る為の玉手箱があるなら俺は行くよ。

ほっ、良かった。
この人は危機感持ってた・・・

乙姫

でも3日以内に行かなきゃ箱は燃やされてしまうんでしょ?
どうやって行くのよ!

浦島太郎

なぁに、知り合いが連れてってくれる!

浦島太郎

神楽耶(かぐや)さんだ。
彼女なら何とかしてくれる。

でも、その人どこにいるんですか?

浦島太郎

那須塩原。

乙姫

・・・へ?
アンタ、今ここどこだと思ってるのよ?

浦島太郎

日本海のど真ん中。

無理じゃねぇか!

果たして3人は3日以内に鬼ヶ島へ辿り着く事は出来るのか!?
そして浦島太郎は無事に元の時代に戻る事は出来るのか!?

次回ッ! 巻ノ2

ご期待ください。

巻ノ1 世の中にはウラシマ効果というものがあってだな…

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