前回までのあらすじ



行き倒れになっていたコスプレした女の子に飯をたべさせた。


魔法使いみたいなコスプレしてる女の子

ぷはー生き返りましたー

魔法使いみたいなコスプレしてる女の子

あっ、生き返ったって言ってもメルルはアンデットじゃありませんからね!

バイキング会場から大量にもってきた料理をぺろりとたいらげて、彼女はお腹をポンポン叩いてさぞ満足しているご様子だった。

剣崎剣斗

よくわからんが、とりあえず満足したのか?

魔法使いみたいなコスプレしてる女の子

はい! ありがとうございますぅ!

腹も満たした彼女と少し世間話をすることになった。

剣崎剣斗

ところでなんでこんなところに?

魔法使いみたいなコスプレしてる女の子

美味しそうな匂いに連れられて気づいたらここに辿り着いてました。

剣崎剣斗

あ、あはは……そう

俺はこの子の連れがいないことに気づく。

剣崎剣斗

そういえば一緒にいたあの中二病の彼はどうしたんだ?


すると彼女はシュンとなって話始めた。

魔法使いみたいなコスプレしてる女の子

実は……

魔法使いみたいなコスプレしてる女の子

勇者さまはメルルを残して夜の街にお出掛けになられましたのです。

剣崎剣斗

うわ~それはクズい

魔法使いみたいなコスプレしてる女の子

それにお金も全部持ってかれたので、メルルはお店で食べ物を買うこともできずにいたのですぅ

剣崎剣斗

ひっでぇ話だ。彼氏さん屑すぎるな。

魔法使いみたいなコスプレしてる女の子

はい、結構な屑なのですぅ

剣崎剣斗

あ、屑なのは認めてるんだ

剣崎剣斗

そんな奴によく付き合ってられるな。俺なら見捨てるけどな。

魔法使いみたいなコスプレしてる女の子

もう慣れましたから!

剣崎剣斗

なんか話を聞いてたら不憫に感じてきたぞ。

剣崎剣斗

なぁ

魔法使いみたいなコスプレしてる女の子

はい?

剣崎剣斗

あまり男女間の話は他人の俺が口出すことじゃないが、お友達はちゃんと選ばないと駄目だと思うぞ。

すると彼女は悲しそうな眼をしだした。

魔法使いみたいなコスプレしてる女の子

……でも昔は

剣崎剣斗

魔法使いみたいなコスプレしてる女の子

昔の勇者さまはとっても優しかったのですぅ、今はアレだけど……だからメルルが頑張って勇者さまを支えてあげれば、きっとまた前のような優しい勇者さまに戻ってくれるはずです!

遠い昔のことのように語る彼女はどこか儚げだった。


その姿に俺は・・・・

剣崎剣斗

あーなるほど、ダメな男を好きになるタイプか

と感じていた。

剣崎剣斗

まぁ、そういうんなら俺はあまり言えないけど、その……頑張れよ。

魔法使いみたいなコスプレしてる女の子

は、はい!頑張ります!

俺らは世間話を続ける。

魔法使いみたいなコスプレしてる女の子

ところで貴方のお名前は……

剣崎剣斗

ああ、そういえば自己紹介がまだだったな。俺は剣崎剣斗

魔法使いみたいなコスプレしてる女の子

ケ……ケンジャキュ? ケンジュク?

剣崎剣斗

剣崎、剣崎剣斗

魔法使いみたいなコスプレしてる女の子

ケンケンさまですね!

剣崎剣斗

なんでそうなるの!?剣崎だよ!剣崎!

魔法使いみたいなコスプレしてる女の子

ケン雑魚ケントゥース!さまですね!

剣崎剣斗

さっきまで流暢に喋れたのになんでそこは喋れないの!?しっかも雑魚とかトゥース!とか!絶対わざとやってるよねぇ!?

魔法使いみたいなコスプレしてる女の子

ケンケンさまってお呼びしますね♪

剣崎剣斗

絶対わざとだ……

メルル

私はメルルと申します♪

コスプレした少女はメルルと名乗った。
それに親近感を覚えた。

剣崎剣斗

目僂流(メルル)か、君の両親も酷い名前をつけたものだな。

メルル

なんのことかわからず首をかしげるメルル
すると、こちらに誰かが近づいてきた。

勇者みたいなコスプレしてる男

あっ、いた!おいメルル!お前なに勝手にこんなとこに……お前は!?

剣崎剣斗

あっ

メルル

あっ、勇者さま!?

クズ男登場


成人して厨二病を発症させているイタイヒモニートが現れた。

成人して厨二病を発症させているイタイヒモニート

貴様……昼間のことといい、挙げ句の果てには人の従者に色目まで使ってぇ~

メルル

ち、違うのです勇者さま!この人は……

成人して厨二病を発症させているイタイヒモニート

お前は黙っていろ!

メルル

・・・・・・はい

成人して厨二病を発症させているイタイヒモニート(35)童貞に怒鳴られて黙ってしまうメルル。

剣崎剣斗

はぁ、やれやれ。なんかめんどくさいことになってきた

とりあえずこの成人して厨二病を発症させているイタイヒモニート(35)童貞WWWWWWをなだめることにする。

剣崎剣斗

よぉ、また会ったな成人して厨二・・・・・・勇者のレイヤーさん

成人して厨二病を発症させているイタイヒモニート

貴様の面なんか二度と見たくなかったのになんでお前がメルルといる!

剣崎剣斗

いや、たまたま

成人して厨二病を発症させているイタイヒモニート

嘘をつくな!大方勇者の剣を渡したどさくさに紛れて連絡先を交換していたんだろうこのナンパ師め!

ナンパ師

うわ~相変わらずこいつめんどくせぇ……

メルル

そ、そんなことしてません勇者さま!ケンケンさまは……

成人して厨二病を発症させているイタイヒモニート

ケンケンだと?それがこいつの名か!

メルル

えっ……はい

成人して厨二病を発症させているイタイヒモニート

貴様!

成人して厨二病を発症させているイタイヒモニート

名前に剣が二個もあるからって二刀流のつもりか!

二刀流のナンパ師ケンケン

なんだよそれ!二刀流じゃねーよ!!!

成人して厨二病を発症させているイタイヒモニート

ちょっと名前がかっこいいからって調子乗りやがって!

二刀流のナンパ師ケンケン

くそ、親父のつけた名前せいで、話が更におかしな方向に加速していく……

二刀流のナンパ師ケンケン

それになんだ、俺の名前にどんどん変な称号が加算されている気がする・・・

成人して厨二病を発症させているイタイヒモニート

つまり名前を教えあうほどの仲なのか!そうなのか!そうなんだろう!答えろ!メルル!

メルル

あ、あの~その……


メルルは怒り狂う勇者の勢いに呑まれオロオロしていた。

剣崎剣斗

はぁ……仕方ねぇな


俺は溜め息をついてメルルの横に立ち、勇者のレイヤーに聞こえないよう小声でメルルに言った。

剣崎剣斗

目僂僂(メルル)ここは俺に任せろ

メルル

え……あ、はい

成人して厨二病を発症させているイタイヒモニート

言え!二刀流のケンケンとやら!メルルとなんで会っていた!

二刀流のナンパ師ケンケン

そりゃあ口説いてたんだよ

成人して厨二病を発症させているイタイヒモニート

なっ!?

メルル

ふぇ!?

咄嗟のことで固まる二人のレイヤー

成人して厨二病を発症させているイタイヒモニート

そ、そうなのかメルル!

メルル

ひゃい!?ち、違います勇者さま!ケンケンさまはひもじいメルルを助け……


余計なことを言われる前に俺はメルルの口を手で塞いた。

メルル

ンーーー!?

二刀流のナンパ師ケンケン

どっかの誰かさんはお友達をほっておいてエッチなお店いってたそうでさ。一人で可哀想だから俺が声かけたんだよ

成人して厨二病を発症させているイタイヒモニート

えええ、エッチな店など俺は行ってない!1時間フリータイム6000円の店など知らないからな!

あからさまに動揺している。

二刀流のナンパ師ケンケン

おやー?俺は誰かさんと言っただけで君のことを言ったわけじゃないんだけどーひょっとして行ってたのかなー?

成人して厨二病を発症させているイタイヒモニート

ぐっ!謀ったな!!!

二刀流のナンパ師ケンケン

こんな可愛い女の子残して自分はエッチなことしてもらって気持ちよくなっちゃってたんだー?1時間フリータイム6000円で

成人して厨二病を発症させているイタイヒモニート

えええ、エッチな店なんかじゃない!勘違いするな!

二刀流のナンパ師ケンケン

じゃあ、どういう店行ってたんだよ

成人して厨二病を発症させているイタイヒモニート

ぼ、防御力を上げるためムチに打たれて、しゅ……修行をしていた、そうあれは修行なんだ!!!

二刀流のナンパ師ケンケン

SM倶楽部かよ!?

成人して厨二病を発症させているイタイヒモニート

ばかもん!勘違いするな!断じてマニアックなプレイができる店ではない!!!オプションで火の耐性をあげるため蝋燭の火を使った訓練だってしたんだぞ!

二刀流のナンパ師ケンケン

自分の性癖さらしてんじゃねぇよ!

二刀流のナンパ師ケンケン

こいつ普段はSっぽくしてるが、隠れドMかよ

二刀流のナンパ師ケンケン

ふ、ふーん。それでこの子をほっぽりだしにしてたわけか~この子からお金巻き上げて

ドМ

ぐっ・・・・

二刀流のナンパ師ケンケン

お金がなくてひもじそうにしてたから、ちょっとご飯あげるって騙したら、ノコノコこのホテルに連いてきたんだもん。君の彼女チョロすぎるよねー!

ドМ

ぐっ!

二刀流のナンパ師ケンケン

なんも言えず反論してこなくなったな。そろそろ畳み込むか。

二刀流のナンパ師ケンケン

まぁ、誰かさんがちゃんと面倒見ないから悪いんだけどねー!まぁ、なんか邪魔が入っちゃったし、今日はやめとくかな


俺はメルルを勇者のレイヤーの方に向かって背を押した。

メルル

ふぇ!?


メルルは勇者のほうにまでよろけながら辿り着く。

二刀流のナンパ師ケンケン

じゃーねー目僂僂(メルル)ちゃん!
ご飯あげるから今度こそ朝まで俺と遊ぼうねー!

メルル

ふぇ!?ふぇ!?


メルルは理解できずオロオロしていた。

ドМ

虫酸が走る!こいつと話すと不愉快だ!いくぞメルル!さっさと宿に戻るぞ!

メルル

あ、は、はい!


勇者のレイヤーはプンスカしながら去っていった。
メルルはなんで俺が嘘をついたのか気づいたようで、去り際にペコリと頭を下げていた。

二刀流のナンパ師ケンケン

俺が悪役になれば、あのヒモ勇者レイヤー男も目僂流(メルル)に八つ当たりしないだろう。

なんとか誤魔化して事を治めたら、急に疲れがこみ上げてきた。

剣崎剣斗

はぁ……疲れた。部屋かえってさっさと寝よ


ほんとこっちに来てから散々だ。俺は部屋に戻った。

ケンケンと別れてから、二人のレイヤーは沈黙しながら歩いていた。

メルル

あの~勇者さま?

ドМ

……

メルル

ゆ、勇者さま~

ドМ

なんだ

メルル

あの~勝手に行ってしまってごめんなさいですぅ

ドМ

フン!全くだ!これだからお前は毎度毎度愚図なんだ!

メルル

ふにゅう……

ドМ

おい、メルル!

メルル

ひゃ、ひゃい!

ドМ

宿に戻ったら好きなもの食わせてやる。

メルル

え?

ドМ

か、勘違いするなよ!普段から飯食わせとかないとまた変な男に捕まるからな!

メルル

はい♪

メルルは喜びながらドМの横に並んだ。

大佐と呼ばれている謎の男

さて?果たして無事に宿屋まで帰れるんですかね?


背後からいきなり誰かに話かけられた。
勇者とメルルは声がした後ろを振り向くと、そこには銃を持った兵隊達がいた。

メルル

こ、この人たちは!?

ドМ

貴様らは異世界人の兵士!?

大佐と呼ばれている謎の男

ノンノンノン!それは違いますよ


眼鏡をかけた陽気そうな男が兵士達の前に出てきた。

大佐と呼ばれている謎の男

この世界の部外者は貴方達です。この世界はもう我等地球人の領土なのですから

ドМ

メルル俺の後ろに下がってろ

メルル

え?は、はい!

メルルはドМの後ろに隠れる。

ドМ

侵略者がぬけぬけと!貴様らが俺らの世界に勝手にきて滅茶苦茶にしたんじゃないか!

大佐と呼ばれている謎の男

まぁまぁ双方言い分はあるみたいですが、この話は平行線になるんでやめときましょう。外交は僕の専門じゃないんですよ。

ドМ

何故俺らの場所がわかった!

大佐と呼ばれている謎の男

そりゃあもう大分まえから尾行してましたから

つけてただと、メルルな奴が愚図いからつけられてたんだと勝手に思うドМ

ドМ

なっ!?くっ、メルル!

メルル

えーメルルですか!?

大佐と呼ばれている謎の男

彼女のせいじゃありません。
軍にはドローンという最新鋭のUAVが……って言ったところでファンタジーに生きる君達の脳みそには難しい話でしたか

大佐と呼ばれている謎の男

とりあえず、渡してくれませんか?鍵を

ドМ

鍵……だと?

大佐と呼ばれている謎の男

ええ、本当はテロリストの居場所を掴んでから皆殺しにする予定だったんですけど、まさかアレを手に入れてしまうとはね。

ドМ

アレだと?なんのことだ!

大佐と呼ばれている謎の男

惚けなくてもいいんですよ♪情報は既に耳に挟んでますから。

大佐と呼ばれている謎の男

しっかし、散々色んな機械使っても駄目だったアレをどうやった引き抜いたのか理解できませんが、とりあえずそれが日本に渡ると色々不味いんですよね。

大佐と呼ばれている謎の男

だからここの日本政府が気づく前に回収しないとってことで、ちょっと早めに貴方達の前に姿を現したんですから

ドМ

さっきから何を言っている!鍵やらアレやら訳がわからん!

大佐と呼ばれている謎の男

まっ、そうでしょうね。だから知る必要はありません。貴方達を殺した後でゆっくり鍵を回収しますから♪


兵士達は持っていたアサルトライフルを構える。

ドМ

メルルお前は逃げろ!


勇者はメルルを突き飛ばして兵士達に向かっていった。

メルル

ゆ、勇者さま!!!

ドМ

うおおおおおおおおおお!!!

大佐と呼ばれている謎の男

殺れ


異世界の夜空に銃声が響いた。

ジェネシックパーク1日目 俺修羅

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