俺は美姫の言葉に驚く。
え?お兄さんって美姫にいたっけ?
あ、兄さん!
俺は美姫の言葉に驚く。
え?お兄さんって美姫にいたっけ?
ん?お前誰だ?
初対面の人にお前呼ばわりされた…。
えっと、美姫の幼馴染の雅臣です
ああ…と目の前のスーツの男性が納得したような顔で言う。
お前がいつも美姫が言っていた雅臣か。俺は林竜太だ。一応美姫の兄だよ。
義理の、な
義理?そういえば林家は母子家庭だったか…。
ということは再婚されたんだろうか?
今日は俺の仕事上がりと美姫のバイト上がりが重なってな
せっかくだし買い物でもしにいくかって話になってな。
そうだ!まーくんも一緒に来ない?そのままよければうちでご飯もどう?
え?でも、邪魔しちゃ悪いだろ?
いや、むしろきてくれると助かるな、よくお前の話しは最近聞くし。それに女物の服を見に行くのに男一人は正直つらいんだ。
そういって竜太さんは苦笑いする。
そうなの!久しぶりにまーくんともお出かけしたいし!
まぁ、そこまで言うなら。
そんなこんなで流されるように近くのスーパーへと着いた
えーと、兄さん。今日の夕飯だよね?何買う?
そうだなー
お前の好きなものでいいぞ。
やったー!じゃあ、あっち見てくる!
美姫は一目散にお肉のコーナーへと向かっていった。
…君は、美姫のことが好きなのか?
え!?と、突然なんですか!?
いや、ただ聞いてみたかっただけだ
…僕にも、まだ分かりません。
幼馴染とはいえど久々の再会で…その、美姫の事はまだあまり知らないので
フフッ…そうか…
まーくーん!これ見てこれー!
あ、行ってきますね
声のした方へと向かう
ん、どうしたー美姫ー
雅臣は美姫の方へ向かって走っていった。
まー君、あのね!今日一緒にご飯食べない?丁度兄さんも居るし!!それに、見せたい物があるの!まー君に!!
見せたい物?
でも、急にお邪魔するのは悪くないか?流石に…。
兄さん!良いわよね?
ああ、別に俺は構わないが…。一応母さんには連絡しとく。
すみません、なんか…。
いや、構わない。母さんもお前の事気に入ってるみたいだしな?
えっ!
…なんだと。
俺は…林さんに気に入られていたのか。
多少驚いたが、なんだか嬉しく思えた。
…おっ!母さんから返信が来たみたいだ。
そう言って、竜太さんは携帯を取り出した。
竜太さんは携帯でメールアプリを開き、俺に見せてきた。
゙もちろんOK♡゙…だそうだ。
…っ!…ありがとうございます!
やったあ。まーくん、行こっ!
美姫は俺の手を引き、林家へと向かった。
(…美姫、これから何があっても自分の信じる道を行くんだぞ。
俺は…美姫をこれからもずっと…見守っているから。)
数分後、俺と美姫と竜太さんの3人は、林邸に到着していた。
スーパーから林邸に到着する間、四六時中、美姫は俺の手を引いていた。
その姿を見て、というより、俺の気持ちが定まらないということを知ったからだろうか。竜太さんはその光景を目の当たりにしても、終始微笑ましく俺と美姫の会話を聞いたり、やりとりを見ているだけだった。
ただいま~
おかえりなさぁい♪
おかえり、美姫
!!秀人さん…
今日は海外にいるはずじゃ…
手を引くというよも、抱きつく形になっていた美姫の手が秀人と呼ばれた男性が玄関に姿を現した見た瞬間、俺の腕をすり抜けていく。
予定よりも早く帰国できたから、寄ったんだよ…
そう…
随分とお早いお着きなんですね…
おお、竜太君も一緒か………
そこの、美姫の隣に居る男性は?
互いの自己紹介が終わると同時に、玄関に立っていた俺の隣にいつの間にか林さんが現れ、肩を突く。
雅君。ちょっと…
はい!?
竜太に美姫、それに秀人さん。
ちょっとリビングで待っていてもらえるかしら?
私、ここにいる雅君とちょっと話がしたいから…
分かったわ。さぁ、秀人さんと兄さん
中に入りましょう!
有無を言わせず、2人を家の中へと押しやり、俺にウィンクを投げかけると、自らも自宅へと入っていった。