俺は事故にあった。

詳しい経緯は聞いていないし、覚えていない。

さらに、事故の後遺症として俺は記憶が一日しか持たないらしい。


って昨日の俺雑すぎんだろ……

いや、このメモは昨日書いたものではないのかもしれないと思った。

春休み入った帰り道までしかおもいだせない。

今、何日だろ…

と言いつつ、日付のわかるものを探す。

あったあった。

そこには3月27日と書かれていた。

自分が覚えているのが3月24日までだ。

三日間の記憶がないってことか…

そう、自覚した途端、急な空虚感に襲われる。

これから先、自分は新しいことを記憶することができないのだと。

ど、どうしよ!俺!俺は!

思考が混乱しパニックになる。

自分に起こったことがわからない。

どうしたらいいかわからない。

ここはまるで空虚だ。

刺すような痛みが頭に走る。

うぅ…

その痛みは大きくなりっていく

まだ…ダメ……なところ……まだかえ………

一瞬だった。それは忘れてはいけない何かだった。

記憶の断片だろうか。

桜太君大丈夫?

喋りかけてきたのは隣のベッドの少女だった。

………!

その瞬間、痛みは退いていくのを感じた。

呼吸を整えて問いかけた。

お前だれ?

うわ~聞いていたけどやっぱり傷つくな~

私はアヤメって言うんだ!お隣だしよろしくね!

アヤメ

とても暖かい響きだ。

聞いたことあるんだよなぁ

実は昨日も自己紹介してるんだ。

じゃあ、俺の記憶のことも?

知ってるよ~
ちなみにそのメモ書いたら?っておすすめしたの私なんだ~

持っていた自分のメモを見る。

けれどこれでは情報不足だ。

ねえ!昨日の俺何してた!!

そうだな~私とおしゃべりかな~

もっと具体的なんかいってなかった?家族とか!

……家族?

そういえば俺は何人家族だったんだ…?

家族…か。桜太からは聞いてはいないけど
お医者さんと桜太の家族らしい人が話しているのは見たよ。

どんな人だった?

う~ん、私みたいな素敵な人だった!

………………

じょ、冗談だよ~

私もあんまり覚えてないんだ~

つかえねーやつ!!

そんなこと言ってるから友達ができないんだぞ~

な、なんで知ってるんだよ…

昨日聞きました~!

なに喋ってんだよ。昨日の俺。

けどアヤメと喋ってると落ち着く

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