謎解き屋「クラレンス」
簡単に言えば、謎解き専門の探偵のような何か。
謎解き屋「クラレンス」
簡単に言えば、謎解き専門の探偵のような何か。
僕はこの謎解き屋に新しく加わる新人社員だ。
社員…というべきか、探偵というべきか。
とにかく謎だ。
さて、僕がこの謎解き屋に入ってすぐに仕事が来た訳なのだが、その仕事は・・・
新人の僕にとって最大の試練だった。
Vol.1 あんな仕事、受けなきゃよかった。
・・・
僕は、ヴァン。
ヴァン・リンクス。
ごく普通の謎解き屋の新人だ。
こう見えて、少しコミュ障である。
う~ん、天気がいぃねぇ・・・
そう思わないかい?ヴァンくん。
そうですけど・・・
この、少しチャラそうなおじさんはシゲ
シゲール・マグニファイ
謎解き屋の所長
正直、近くに居ずらい。
ほら!元気出しましょうよ!
ファイト―!!
静かにしてください。
ひどいよぉ!!!
彼女はモニカ。
モニカ・マクミラン。
超元気なメイド。
マクミランってついてるけど、狙撃の腕は皆無である。
彼女に銃を持たせたら、フレンドリーファイアは免れない。
ねぇ…覚えてる?
今回の依頼・・・。
覚えてるよ、村で起こった災厄の謎を解く…だっけ?
それが、何か問題?
いや・・・別に…
サラ。
サラ・アリアドネ(本名)。
謎多き美少女。
通称「シスター・アリアドネ」
名前と性別以外一切不明、謎解き屋一の謎だ。
さて、今回の依頼は「災厄に見舞われた村を救う事」
どうやら、ある『謎』によって村が滅びかけているらしい。
多分その謎を解けば、災いが収まるんだろう。
そう願いたい、っていうか早く帰りたい。
さぁて、もうすぐ目的地だ。
君たち、気ぃ引き締めて取り掛かるぞ!
はい…
ま、僕の初仕事だし…
いっちょ受けて立ちましょうか。
イェーーイ!!!!
モニカは相変わらずだなぁ…
ホロウの村
うげ~、こりゃひでぇな…
一体どうしたっていうんだぁ?
・・・
これが…災厄の影響…
まいったな…初仕事いきなりキツそうじゃん…
とりあえず、情報収集ですね。
まずは、依頼人の村長さんに話を伺いましょう。
よし!
村長に会いに行くぞ!
おじさん…
行動だけは早いんだよね…
村長の家
よぉ来なさったのぉ、謎解き屋の皆様方。
何も出せなくて、済まんのぉ…
まず、なぜこうなったのか聞きたいのですが。
率直だなオイ。
実はのぅ…
村長の話をまとめるとこうだ。
三日前、村にある荷物が届いた。
その荷物は、大きさ約20㎝弱の小箱だという。
不思議に思いながらも、その箱を放置した。
そして次の日、村に災厄が訪れた…
村長は昨日送られてきた箱が原因と思い、箱を開けようとした。
が、全く開かなかったそうだ。
箱には鍵のようなものが掛かっていて、その鍵がかなり難解な構造らしい。
要するに、変な箱を開けてほしいとの事だ。
で、これがその箱じゃ。
普通の宝箱みたいだな。
これが、災厄の元凶?
鍵は、どこにでもあるごく普通の南京錠…
しかし、何か術式らしきものが仕掛けられていてこじ開ける事は出来ないな。
とりあえず…持ち帰って、調べてみましょうか…
村長…この箱、持って行ってもよろしいでしょうか?
あぁ、持ってってかまわないが…気をつけて扱うんじゃぞ。
さて、次は箱の調査だね。
あぁ!
彼なら、うまくやってくれるさ!
あ、村長さん。
なんじゃ?
本日は、ご協力ありがとうございます。
調査結果等は後日、お知らせいたします。
おぉ、分かったぞ。
お嬢ちゃん、とても律儀だのぉ。
えへへ、褒められちゃいました!
ねぇ!ヴァン君!私をほめてー!
あ~、はいはいよくできましたね。
心こもってなーーーい!
謎解き屋「クラレンス」
箱の事、分かりましたか?
…なるほどね
彼はリグ。
リグ・エスティカ。
謎の仕掛けられた物品類の調査担当である。
イケメン。
非常に申し訳にくいのですが…
なぁに、もしかしてわかんないとか?
…いえ、違います。
この箱は…間違いなく、正真正銘本物の…
なんですか!
呪われた匣
『コトリバコ』です
ほほぅ…
コトリバコ?なにそれ~
やはり…嫌な予感は当たってたか…
へ…じょ、冗談だよね…?
そんな物騒な物を…?あの村に?
ヴァン君知ってるのー?教えて教えてー!
モニカさん!呑気な事言っている場合じゃないですよ!
でも気になりますよ!教えてください!
かなり怖い話ですから、後悔しないでくださいね…
コトリバコっていうのは…
コトリバコ
ある反乱軍の兵士が作りだした小箱型の「呪殺兵器」
その威力はとても凄まじく、強い物だと一つの地域を呪い殺す事が出来る恐ろしい兵器だ。
今から30年前の話、とある集落で反乱がおきた。
その反乱については、僕もあまり知らない。
ただ、その箱の作り方を教えた集団の名前は聞いたことがある。
「箱の魔女たち」
反乱軍の一員が、反乱を起こすために『箱の魔女たち』から『箱』の作り方を聞いたそうだ。
しかし、その作り方を聞いてから反乱軍の行方は解らずじまい。
反乱も無かった事になってしまった…
しかしその1ヵ月後、反乱軍のアジトから
コトリバコの作り方が書かれた書類が発見された。
その作り方というのがまたグロテスクで胸糞悪くなる話なのだが、寄木細工のような木箱の中を血液で満たして1週間、中に子供の死体を入れて蓋をして術式を唱えれば完成。
この話を聞いて、胸糞悪くなった人はごめんなさい。
ちなみに、この作り方はほんの一部に過ぎない。
実際は更に手順を踏まないと完成しないらしい。
そして、この箱の恐ろしい所は「入れる死体の数によって呪いの強さが変わる」という所だ。
一人でイッポウ、二人でニホウ、三人でサンポウ、
四人でシッポウ、五人でゴホウ、六人でロッポウ、
七人でチッポウ
そして、最高クラスの八人「ハッカイ」
しかし、これはかなり珍しいもので、なんでも
ハッカイは最初の1個以外は決して作ってはいけないという決まりがあるそうだ。
この箱の製造に、どれだけの子供が殺されたかと思うと自分も胸糞悪くなってくる…
聞かなきゃよかったぁアぁあぁぁあぁあ!!!!!!!!!!!!!!
だから言ったじゃないですか、後悔するなって…
しかし、変ですね…。
何がだ?
まず、箱の形状が寄木細工じゃないありませんし、それに…
それに、なんですか?
この箱、クラスがハッカイの筈なのに"中身が入っていない感じで物凄く軽い"んですよね
軽い…?
中身が…入っていないの?
えぇ、奇妙なほどに軽いんです。
それでも解呪を試みてみましたが、かなり強力な呪いらしくて…
どうやっても解呪できなかったのです。
そうだ!
私の知り合いのダンさんに見せてみれば何か解るかもしれません!
あの、ダンって…誰ですか?
ダン・フリューゲル。
特殊な力を持ったアーティファクトを集めているコレクターです。
彼は、普段は骨董屋にいると思うので立ち寄ってみてはどうでしょうか。
ダンっていう人に聞けば箱の正体が解るかもしれない…か。
希望が見えてきたかも!
なるほどねぇ、こりゃますます面白くなってきたじゃねぇか!
よぉし!
皆、準備は出来たか!?
はい!
私は…いつでも出来ているわよ?
どんと来いです!
小さな箱に仕掛けられた謎を解き明かせ!
皆、行くぞ!