眠井博士

…というのが、私が長年の研究より導き出した仮説です。この仮説に基づき、現在対抗策を模索しております。現在のところ進行中のプロジェクトは一定の成果を…

えらい人

…Dr.眠井。もういい

眠井博士

もういいというのは…。今からが重要なところで…

えらい人

君はここをどこだと思っているのかね

眠井博士

…どこって。学会ですが…

えらい人

そう、ここはアカデミックな場だ。

…帰りたまえ

眠井博士

そんな…! このままでは人類は滅亡の一途だ! この事実を広く周知し、すぐに対策を練らなければ…

えらい人

いい加減にしたまえ! その論文はスピルバーグのところにでも持って行くんだな!

まあそんなくだらん話じゃ、B級映画の脚本にもなりゃしないだろうがな!



オズボーン袴田とかいうやつならストーリーの設定に採用してくれるかもしらんが

眠井博士

眠井博士

…これで発表は終わります












眠井博士

…くそ。どうして誰も信じてくれない…!

眠井博士

これは真実なんだ!

あとひとつ。あとひとつだけピースが埋まれば…







眠井先生

眠井博士

!?

半津賀博士
眠井博士

あなたは半津賀博士…

半津賀博士

僕は面白い説だと思いますけどねー。非常に興味深い

眠井博士

…確かに馬鹿げているとは思いますよ。しかし、実際、

半津賀博士

眠井先生の説には重要な点が抜けている

眠井博士

!?

眠井博士

…というのは

半津賀博士

そもそも、その“現象”が起こるメカニズムを説明できていない

眠井博士

!?

眠井博士

…そうなんです。まさに私が悩んでいるのはその点でして…

半津賀博士

私ならそのピースを埋めることができる

眠井博士

まさか…!?

半津賀博士

聞きたいですか、私の仮説

眠井博士

是非、聞かせてください

半津賀博士

…私の仮説もだいぶ馬鹿げていますが



































眠井朝華

ねむい…














古御門レミ

フジコちゃん!
ねむたんいる!?

東城くん








保健室のフジコ

え!?

眠井朝華

え!?

古御門レミ

あ、ねむた〜ん!














眠井朝華

ひぃ…

古御門レミ

ねむた~ん! 会いたかったよー

東城くん

じぃ……














保健室のフジコ

ちょっといきなりなんなの? 組み合わせも変な二人だし…





古御門レミ

ちょっとねむたん! この冴えない男にはあげたのに、なんで私にはくれないの?

眠井朝華

…なんのこと。…てか、離して

東城くん

これだよ。眠井さん









眠井朝華

ああ、イイユメハンマー

古御門レミ

あのね、この前保健室で見た夢にねむたんが出てきてね、このハンマーで私のスマホをぶっ叩いたの。

すっごく嬉しかった!

保健室のフジコ

スマホをハンマーで叩かれて嬉しかった…?

古御門レミ

でね、夢なんだけど、夢じゃないというか…。ずっと不思議に思ってたの。

でも、ねむたんに『この前夢であったよね?』って聞くのはおかしいし…

眠井朝華

まあ…

古御門レミ

そしたらね! こいつ

東城くん

…東城です

古御門レミ

そう、東城がね、私の夢に出てきたハンマーと同じハンマーのぬいぐるみをカバンに下げてたわけ

保健室のフジコ

え…? あんなプリティーなやつカバンに下げてんの…?

東城くん

だって……眠井さんにもらった大事なものだから…

保健室のフジコ

え?




古御門レミ

だから、あれは夢だけど夢じゃなかった!って確信して、私もあれがほしい!ってなっちゃって

眠井朝華

で、ここに来たと

古御門レミ

そう!

保健室のフジコ

またうるせーやつが来たなあ…

古御門レミ

ねむた〜ん! 私にもちょうだいよ、あのハンマーみたいなぬいぐるみ

眠井朝華

…ん。まあ、あげるけど。…はい









古御門レミ

うわああ! ありが







古御門レミ

え…?

眠井朝華

あげるのはいいけど、その『ねむたん』とかいう、さぶイボネームはやめてくれない?

古御門レミ

えー? なんでー? ねむたんいいじゃん! かわいいじゃん!

眠井朝華

古御門レミ

ねえ! 東城もそう思うでしょ?

東城くん

う、うん…。ねむたん…、かわいい…

古御門レミ

ほら! いいじゃない、友達でしょ?

眠井朝華

…友達!?

古御門レミ

そう友達!

眠井朝華

なった覚えは…

古御門レミ

いいじゃん、いいじゃん!

保健室のフジコ

ふふふ




































半津賀博士

…というのが私の仮説です。いかがでしょうか

眠井博士

…馬鹿げてる

半津賀博士

眠井博士

あなたまで私を馬鹿にするのか! 理解していただけると思って期待していたのに

半津賀博士

眠井先生は私の仮説を理解してくださらなかったのですか

眠井博士

当たり前だ! そんなものアニメかマンガの設定だ! それにしたってリアリティの欠片もありゃしない

半津賀博士

…あなたも同じだ

眠井博士

…は?

半津賀博士

あなたも同じですよ。壇上のあなたを嘲笑った連中と

眠井博士

半津賀博士

先進的な学説や理論は、同じ時代の“凡人”どもには理解できないものです。

それでも自分が正しいと思ったものを曲げちゃいかん。


その説を唱えた自分さえ信じなくなってしまえば、この世に信じるものは誰一人いなくなる。

それはもったいないし、せっかく世に生まれた“理論”が不憫だ。

眠井博士

半津賀博士

『信じる者は救われる』

科学とは対極にあるべき宗教の言葉ですが、私は好きです












眠井博士

眠井博士

…半津賀博士

半津賀博士

なんでしょう

眠井博士

私の研究所へいらして下さい。そこで詳しくお話を聞きたい

半津賀博士

…喜んで

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