ご主人様、わかりましたか?
どう言った事か。

私はもうご察しの通り別の世界の住人です。
ただあなたのペットでもあります。



しかし、私はサンジェルマンのように
技術供与をする事は出来ません…


もうあなたがたの世界には
存在しないものもあるからね。


いずれあなたがた人間達も
過ちに気がつく事でしょう。


見たでしょう、あの青々とした草原、建物。

我々はいかに地球を汚さないように
と言うことを考えて来たんです。


この平行世界はどこかの世界が
何かをきっかけに分離したものです。


だからあなたがたの世界に換算すると
実はまだ平安京の頃なんです
しかしこの技術を得ました。

サンジェルマンの力と言うのもありますが
ダーティーエネルギーを使わないと言う選択が
実はこれを呼び込んだと私は思ってます。

いわゆる神様と言うのは
平行世界の一番大元の世界の住人なんです。


だから全ての世界において殆ど不老不死なんです。
まだどこにあるのかはわかっていません…

しかし一つ言えるのは
あらゆる世界の住人があなたがたの世界にも
住んでいると言う事です。

私の事を気付かなかったようにね…

そろそろ時間ですね。

ご主人様、このジュースをお飲み下さい。

そしてこれはお土産です、記念にどうぞ。

と言うと、いつもより少し大きめの
虹色に光る透明な石をくれた。


言われた通りにジュースを飲むと
だんだんと意識が遠くなり……









「あなたこんなとこで寝てると風邪引くわよ」

「あ、ああ」

あれは夢だったのか?
うとうとしていて夢でも見ていたのか
時計も殆ど進んでいない。

よいしょと体を起こすとポケットから何かが落ちた。

「あら、綺麗ねこの石」

妻が拾い上げたのは透明な虹色に光る石だった。
あれは夢ではなかったのか。。。




あれから…                   


タマがどこかに行く度に
またあの世界に帰っているのかな?
と考えてしまう。

ただ以前と違うのは庭に出てみても
ホムズンは見張りをしていないのと
蔵にあるまねき猫は光ってはいない


またいつかあの世界に行ってみたいな。。。

この私達が住むこの世界も
いつか緑に包まれる日が来るのだろうか。



あの石を見る度に緑に包まれたあの世界を思い出す。。。

~fin~

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