サジェス・エフォール

こんにちは!フェイールさんいますか?

フュイール

サジェスさん!丁度連絡しようと思っていたんです

サジェス・エフォール

どうかしたんですか?

フュイール

シャンスさんの体調が悪化したんです

サジェス・エフォール

えっ……………

フュイール

彼女の火傷はほとんど治っていたし、今更発熱を引き起こすようなことはないと思っていたんですが…………

サジェス・エフォール

すぐにシャンスさんのところに連れて行って!

シャンス・スーリール

はあ…………はあ…………

フュイール

容態は?

症状は軽い発熱ですが、今は伝染病が流行る時期と重なりますし、もしかしたらその前兆かもと……

みなまで聞かずに、フェイールは聴診器を取り出してシャンスの診察を始めた。
ポケットから舌圧子を取り出すと、シャンスの口に入れて喉の奥を見る。

フュイール

…………サジェスさん

サジェス・エフォール

シャンスさんは?大丈夫なのか?

フュイール

恐らくは、風邪だと思います。ただ、ひきはじめというのはかなり体が弱っている場合が多いんです。

サジェス・エフォール

それは知ってるけど………

サジェス・エフォール

待ってくれ。まさか…………

フュイール

はい………………サジェスさん。私個人としては、多少ならシャンスさんの体調管理を鑑みても外出させるでしょう。しかし……………

フュイール

医者として患者の体を守る立場としては………今夜のシャンスさんの外出を許可するわけにはいきません

サジェス・エフォール

そんな………………

サジェス・エフォール

なんとかならないかな?今夜しか時間がないんだ!

フュイール

今夜しか?

先生がダメだと言ってるんですよ。今日は諦めてください

サジェス・エフォール

フェイールさん、お願いだよ!少しだけでいいから!

先生!

シャンス・スーリール

私からも……………お願いします

サジェス・エフォール

えっ?

フュイール

シャンスさん?

シャンス・スーリール

楽しみに……してたんです。これくらいの熱、どうってことありません

サジェス・エフォール

シャンスさん……

しかし…………!

フュイール

………………分かりました。許可します

シャンス・スーリール

えっ………?

サジェス・エフォール

本当かいっ?

先生っ!?

フュイール

心配しないでください。サジェスさんなら決してシャンスさんを危険な状態にしたりしませんから

しかし…………

フュイール

では、お願いしますね、サジェスさん

サジェス・エフォール

ありがとう、フェイールさん!

サジェス・エフォール

大丈夫?歩けるかい?

シャンス・スーリール

………………はい

サジェス・エフォール

良かった。じゃあ、行こうか。20分もかからないと思うけど、辛かったら言ってね

シャンス・スーリール

……………はい

アルエット・コネッサンス

……っ!?

魔法による人の気配を感じ、アルエットは顔を上げる。
今、確かに外部の人の来訪を知らせる風を感じた。

しかし、この場所を知っている人はごくわずかだし、みんな今日は忙しくてここに寄る余裕なんてないはずだ。

では、一体誰が…………

アルエット・コネッサンス

…………………

再び気配を伝える風。
ドアの向こうからは応答はない。

アルエットは恐る恐る、そっとベッドから出て玄関へと向かう。

アルエット・コネッサンス

……………誰?

サジェスの使いの者です

アルエット・コネッサンス

………サジェスの!?

サジェスの話だと、今頃はシャンスと一緒のはず。
なのに使いをよこすなんて、何かあったのだろうか。

アルエットは急いでドアを開ける――――

アルエット・コネッサンス

!!

エクリール

サジェスの名前を出すだけで、簡単に出てくるとは

エクリール

用心が足りないぞ、アルエット・コネッサンス

アルエット・コネッサンス

貴女は……………?

エクリール

一緒に来てもらおうか。言うことを聞いてくれれば、悪いようにはしない

アルエット・コネッサンス

………………………

To be continued...

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