ねえ、返事してよ***...

しかし、腕の中で眠る男が応じることはなかった。

激しい豪雨と雷雨の中、彼女は続ける

許さない...

許さない...

孫子ノ第マデ呪ッテヤル

...***...***...

オイ、神谷ッ!!!

神谷 祐介

......ッ!!!

坂本 浩史

オイ、神谷、お前また寝てるのか?

ふと顔を上げると、そこには見慣れた顔があった。

コイツは担任の坂本、居眠りには厳しい方の奴だ。

神谷 祐介

...ッ、すいません、ついうっかり...

なんて笑って誤魔化す、それがもう定番だった。

坂本 浩史

ハァ...次は気をつけろよ

こんな感じで坂本も、最近はもう慣れたようだった。

チャイムが鳴り、授業終了の時間を告げた

祐介~疲れたぁ~

まだ一限目しか終わってないというのに、

この女、幼馴染の花屋 梨乃は、愚痴をこぼしに
わざわざやってくるのだった。

神谷 祐介

あのなぁ梨乃、まだ1限だぜ?

花屋 梨乃

え~、疲れたよぅ、もう無理~!!!

神谷 祐介

全く、梨乃は体力ないなぁ~

花屋 梨乃

祐介はイイじゃん!寝てるだけだし!

神谷 祐介

そ、それは...

花屋 梨乃

ほら、図星だ~~!!!

ほらソコ教室でイチャつくなッ!!

神谷 祐介

なんだ、圭太か

福原 圭太

なんだってなんだよ!!!

コイツは福原圭太、中学からの友人だ。

花屋 梨乃

べ、別にイチャついてるわけじゃ...

福原 圭太

全く、こんな居眠り王子のどこがいいんだか

花屋 梨乃

そ、そうよ!こんな眠ってるだけの...

神谷 祐介

こっちだって、悪夢に忙しいんだっつの

花屋 梨乃

悪夢ぅ?

福原 圭太

あぁ、前に話してたやつか。

神谷 祐介

そうそう、鬼が何か言ってる...

福原 圭太

その鬼さんって可愛いんでしょ?

神谷 祐介

ま、まぁ...

花屋 梨乃

そっか、可愛いんだ...

神谷 祐介

ん、何か言ったか?梨乃

花屋 梨乃

べ、別に何にもッ!!!

福原 圭太

相変わらずだなぁ、祐介は...

神谷 祐介

どう言う意味だよそれッ!!

福原 圭太

ま、俺の方でもなんか調べてみるわ。
...面白そうだし

花屋 梨乃

あッ!じゃあ私も調べる!

神谷 祐介

オッケー、んじゃなんかわかったらよろしく!

この行動があんな悲劇に繋がるなんて、
誰も思ってなかったことだろう...

其ノ1 悲劇ノ始マリ編1

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