1月29日
長い間、それを見て見ぬふりしていたせいで
私はそれを忘れてしまった
私の名前を誰かが呼んでいる
返事をしたのは口だけで
心はどこか遠くを向いたまま
それが私にとって一番大切なものだったと
気付いたのはだいぶ時が過ぎてから
人に見捨てられようとも
悲しみや苦しみを味わおうとも
私はそれを忘れてはいけなかったのだ
もう簡単には思い出せない
それを見つけるのはとても大変そうだ
でも何が何でも見つけ出さなければいけない
そうしなければ私の影は完全に消えてしまう
必ず見つけ出す
それは無いものではないのだから
きっと見つけられる
私はまたあの懐かしい場所へ帰るために
果てしない旅に出て行く