ああっ! 私だ! 戻ってきたんだっ!!

 オレンジ色の光に染まる森の中。

 少年は声をあげ、直後、その違和感に気づいた。

 すぐ目の前にいる黄金色の少女は、目をぱちくりとさせている。

…………

えっ!? あれっ!? なんで『私が居る』のっ!?
じゃあ、『私』は一体……っ!?

 両手を見て、

 服装を見て、

 体をひねって尻尾を見て。



 サマーシャ(in少年の身体)は気づく。

ト、トルネルだぁぁぁぁぁっ!?

…………

あれま。そりゃ大変

 ――少女は無表情につぶやいた。

……っ!? サ、サマーシャ? どこだ?

なっ……何なんだここは!? 一体どうなったんだっ!?

落チ着ケ・騒グナ・装置カラ=離レロ

な、なんだこいつ!
こっち来んなよ! しっしっ!

 怯えて後ずさりながら手を払う滑稽な『自分』の姿に苛立ちを感じつつ、しかし今はそれどころではなかった。

 博士(in38のボディ)は、するするとモニターに近づき、アームの先端でキーボードを叩く。

ウーム・38マデ=巻キ込マレタノハ=何故ダ? ソモソモ=ぷろぐらみんぐサレタモノニ=過ギナイ=38ノ疑似意識ト・人間ノ意識ガ=入レ替ワルナド……

……オイ・チョット=ソコノ資料ヲ取ッテクレ

 38はふりかえる。

 ――しかし、そこには誰もいない。

 研究所の扉が開け放たれ、資料が風に揺れていた。

アノ=ヤロウ……!

 プシューっと音を立てて38は後を追う。



 騒動は、まだ始まったばかりだった――。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

第7話:そして二人は

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