鈴石茜

昨日は、アスナちゃんにも手を打つと言っちゃったしな……

鈴石茜

やっぱり行動してみない限り始まらないか

東海竜弥

………

鈴石茜

…………

東海竜弥

鈴石茜

誰?

東海竜弥

……え

鈴石茜

部外者は立ち入り禁止なんだけど

東海竜弥

え、ちょっと

佐島亮

こんにちはー……

東海竜弥

佐島亮

あ~東海先輩!!

佐島亮

珍しいですね、東海先輩が学校来るなんて

鈴石茜

珍しくちゃいけないでしょ、仮にも『生徒会副会長』が

東海竜弥

……仮じゃない

伊納アスナ

こーんにーちはー

東海竜弥

…………

伊納アスナ

お……これはこれは……生徒会副会長の……えーっと……

東海竜弥

……東海竜弥

伊納アスナ

おお! それです、東海殿

東海竜弥

殿?

鈴石茜

で、今まで何してたの?

東海竜弥

……寝てた

鈴石茜

ずっと!?

東海竜弥

……うん

佐島亮

まあまあ、東海先輩は身体が弱いんですから!

鈴石茜

そうはいってもねえ

東海竜弥

……だってもう高校行く必要とかないし

伊納アスナ

必要ない……?

鈴石茜

生徒会役員になれば授業免除で国外の大学に推薦してもらえる、だっけ?

東海竜弥

それ

東海竜弥

俺、頭いいから、もう勉強する必要とかないし

鈴石茜

自分で頭いいとか言うな

東海竜弥

じゃあ茜は俺に勝てる?

鈴石茜

勝てるわけないじゃん、竜弥。

東海竜弥

ふっ

鈴石茜

な……笑ったな!? 今、笑ったな!?

伊納アスナ

茜……竜弥……? 二人は下の名前を呼び捨てで呼び合うご関係……それは、一体

鈴石茜

単なる小学校からの同級生だ

佐島亮

小中高と同級生なんてすごいじゃないですか

東海竜弥

そう?

鈴石茜

嬉しがることでもなんでもない

伊納アスナ

これは三角関係の予感……

佐島亮

鈴石茜

まあ、ここに来てくれたってことは活動を手伝ってくれるってことだよね?

東海竜弥

まあ、一応

鈴石茜

じゃあ席について。会議始めるよ

東海竜弥

何の?

鈴石茜

…………

佐島亮

この前生徒アンケートで体育祭のテーマを募集したんですよ

伊納アスナ

今日はここから私たちがテーマを選ぶという会議です

東海竜弥

……ふうん

鈴石茜

まあぶっちゃけ感性は人それぞれなんだから深く悩む必要もないんだけど。去年もそう時間はかけなかった

佐島亮

じゃあパパッと決めちゃいましょう

鈴石茜

そだねー

鈴石茜

あ、あと八月の最初の土日に中学生の体験入学があるのは知ってるよね?

鈴石茜

あれの運営もろもろも生徒会役員がやることになっているから、来てね? 三人じゃ結構人手が足りないしさ

東海竜弥

考えておく

鈴石茜

考えておくって……

佐島亮

あ、このテーマとかどうですか?

鈴石茜

お? どれどれ……?

東海竜弥

…………

鈴石茜

ふう……やっと決まった

伊納アスナ

誰ですかー? すぐに決まるって言った人……

鈴石茜

ははは、結構迷っちゃって

佐島亮

全く、優柔不断ですねえ

伊納アスナ

……生徒会長殿、少しいいですか?

鈴石茜

ん?

伊納アスナ

どうして会議が長引いたのか分かります?

鈴石茜

な、なんのことかな?

伊納アスナ

アスナは分かっていますよ。生徒会長殿が佐島殿が手に取ったテーマばかりに見入っていて自分では全く決めなかったこととか

伊納アスナ

やけに身体が近かったこととか

鈴石茜

はははは……

鈴石茜

勿論策略

伊納アスナ

……やりおる

鈴石茜

よーし、校舎施錠される前にそろそろ帰るよー

佐島亮

ですねー

鈴石茜

まあ、この通り効き目なんて全然ないんだけど

伊納アスナ

その割に落ち着いていますね

鈴石茜

だってまだ、攻略初日だよ?

伊納アスナ

え?

鈴石茜

ギャルゲーでいう、攻略初日

伊納アスナ

……乙ゲーではなく?

鈴石茜

……乙ゲーやったことない

佐島亮

どうしたんですか? さっきからこそこそと

東海竜弥

……乙ゲー?

鈴石茜

……え

東海竜弥

乙ゲーって言った?

伊納アスナ

ま、まあ……

鈴石茜

…………

東海竜弥

えっと

東海竜弥

俺、『居候センセイ』が好きなんだけど、やってたりする?

鈴石茜

……え

東海竜弥

最近の流行りだと『白雪姫と七人の王子』?

佐島亮

……

伊納アスナ

……

鈴石茜

竜弥って……乙ゲーやってるの?

東海竜弥

家で寝ている時暇だったから

東海竜弥

姉のゲーム借りてやってた

東海竜弥

はまった

佐島亮

し、知りませんでした。東海先輩にそんな趣味があったとは

鈴石茜

云っちゃ悪いけど若干引くよ!?

佐島亮

でも、鈴石先輩もお揃いじゃないですか?

鈴石茜

え!?

佐島亮

先輩も女子だけどギャルゲー大好きで、男子だけど乙ゲー好きな東海先輩とお揃いです

鈴石茜

一緒にするな!

東海竜弥

……茜は、俺と一緒は嫌だ?

鈴石茜

え? えっと……

鈴石茜

へ、偏見の目で括りつけられるのは嫌だな

伊納アスナ

ところでアスナは『白雪姫と七人の王子』、知ってますよ?

伊納アスナ

アスナも停学中暇だったんで

伊納アスナ

王子様たちの戯れを堪能していました

鈴石茜

駄目だ、この子は歪んだ目で乙ゲーを見ている

佐島亮

腐女子、怖い

東海竜弥

乙ゲー、好き?

伊納アスナ

まあ、意味は違うかもしれませんが、好きかと問われれば肯定するかもしれません

東海竜弥

語ろう

伊納アスナ

え? あ、は、はい!

鈴石茜

アスナちゃんが押されている!?

佐島亮

僕、こんな生き生きとした東海先輩初めて見ましたよ?

伊納アスナ

生徒会長殿、チャンスですよ

鈴石茜

え?

伊納アスナ

乙ゲーについて学ぶチャンスです

東海竜弥

推しは? 推し王子は!? ちなみに俺はひねくれ者の……

鈴石茜

確かに乙ゲーのことは分かりそうだけど

鈴石茜

よく考えたら私はギャルゲーとか乙ゲーとかより佐島くん単体の攻略方法を知りたいんだよなー

佐島亮

あ、先輩

鈴石茜

な、何?

佐島亮

今度、なんか奢ってくれるんでしたよね?

鈴石茜

あ、ああそんな約束もしたね

佐島亮

どうしますー? 

鈴石茜

……夕食でも奢ろうか?

佐島亮

あ、それ賛成です

佐島亮

食費が浮く

鈴石茜

まったく、下心を隠そうともしない

佐島亮

ははははは

鈴石茜

ん?

鈴石茜

まさか今、さらりとデートの約束しちゃってる!?

鈴石茜

な、謎すぎる……

東海竜弥

あのゲームはバッドエンドもうまく作られていて、決して残念感はないというか

伊納アスナ

えー? でもアスナは隣国からの王子自体が気に入りません

鈴石茜

いよいよ理解が追い付かなくなってきたぞ?

続く

ギャルゲー感覚でいいですか!?

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