晴海詩乃

あなた達、まだ生き残っていたのね…

香谷里見

晴海詩乃ちゃん…! また会えましたね。どうですか、私達もついにここまでやってきましたよ

晴海詩乃

気安く呼ばないでちょうだい。
あなた達と私は友達でもなんでもないんだから

香谷里見

あはは…そうですね
でも、うーん… やっぱり私、詩乃ちゃんの顔がなんだかとっても馴染み深い気がするんです…

香谷里見

たしか昔、なにかのテレビ番組で…

晴海詩乃

な、何を言ってるのかしら
私はあなた達と同じB級アイドル!
前に説明したでしょ

香谷里見

その割にはずいぶん芸能界に詳しいというか…偉そうですけど…

晴海詩乃

気・の・せ・い・よ!

晴海詩乃

と…ともかく、前回に比べれば少しはマシな顔をするようになったみたいね

晴海詩乃

新人アイドルだったあなた達も今では芸能界の厳しさが身に染みてわかったんじゃない?

晴海詩乃

…今ならまだ間に合うわ
アイドルをやめて、普通の女の子として青春を謳歌しなさい

晴海詩乃

その方があなた達にとって、ずっと幸せよ

香谷里見

そんなわけにはいきません
私達はアイドルに憧れて、つらいことにも耐えてここまでやってきたんです

香谷里見

はい、そうですか…
なんて簡単に夢を諦めるものですか! ねえ、プロデューサーさん!

晴海詩乃

…言うようになったじゃない
それじゃあその覚悟、ここで試させてもらうわ

晴海詩乃

なるほど… この前まではずぶの素人と思っていたけど、少しはマシになったみたいね

晴海詩乃

あなた達はどうやら、一発屋で終わるゲテモノアイドルとは違うようね…

香谷里見

一発屋の…ゲテモノアイドル?
あっ…今何か…思い出せそうだったんですけど…

晴海詩乃

こ、こほん!
…けれどこんなところで慢心しないでちょうだい。あなた達は今やこの私のライバルなんだから

晴海詩乃

真の決着はもっとふさわしい舞台…アイドルサバイバルでつけましょう…
それじゃあね

香谷里見

あら…行っちゃいました…

香谷里見

はぁ~ アイドルのたまごだった私達にもいつのまにかライバルがいっぱい増えちゃいましたね

香谷里見

けれどそれだけ、私達の実力が認められてる…ってことでもあります。
ふふ、これもプロデューサーさんの努力の賜物です♪

~ つづく ~

12|第7章 ライバルはあなた(2)

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