雲一つも無い夜空に、満天の星がキラキラと瞬いている。

 地上は草木が一本も生えておらず、見渡す限り岩と石が景色を彩っているが、今は暗闇で何も見えない。

 見えるのは、上は星の煌きと下は大地の輪郭がうっすらと。
 まるで大地すらも夜空と化しているようだった。

 そんな真っ暗な荒れ果てた広野をただ独り――少女が歩いていた。

………あっ

 足元が良く見えないためか、デコボコしている地面に足を引っ掛け躓いてしまい、盛大に転んでしまった。

 その拍子で、少女が手に持っていた小袋の中身が地面に散らばってしまった。

 倒れた少女は落ち物を今は拾うこと無く、両手と両膝を地面に付けたまま、夜空を見上げた。

 煌く星を見ているのではなく―――
 本来そこに有るべきはずの“モノ”を金色の瞳に思い映して……。

pagetop