第7話 将棋編④

ねう

こたつむり~♪

ねう

気持ちいいね!

セニッタ

ね~♪

…………

ねう

……でも、そろそろでなきゃ!

セニッタ

もうすぐ、お姉さんがしょうぎを教えてくれる時間だもんね!

そして……

明菜

それでは、今から将棋の授業をはじめます♪

ねう

まってましたー!

セニッタ

おねがいしまーす!

明菜

今日は戦法と囲いについてお話いたしますっ
まずは、前回の復習も兼ねてこの形から!

明菜

これは先手と後手がそれぞれ飛車さんの前を進める所から始まっていますね

ねう

うんうん、たしか「相掛かり」…だったっけ?

明菜

ふふ、よく覚えてますね♪
これは戦法としては、お互いが「居飛車」の状態となっています

明菜

居飛車というのは、
飛車さんを最初の位置からあまり横に動かさないでおく
スタイル…といえば分かりやすいかな?

ねう

相手の角行さんの目の前を狙っていく感じだね!

明菜

はいっ、では相掛かりの進行を見ていきましょう!

明菜

歩を突いた後は、すぐに攻めこまないで
金将さんで角の目の前を守ってあげます

セニッタ

守らなかったらどうなるのかな?

明菜

すぐに駒の取り合いが始まるので、
知識より実力が試される「力戦(りきせん)」になりやすいですが、
一般には先手が不利になっちゃいます

明菜

さて、ここで2四に歩兵さんを動かしましょう!
相手にすぐ取られちゃいますが、自分も飛車さんで取り返しができます

明菜

駒の進行を他の駒がカバーする、
「取って取られて」は将棋の基本的な展開です。
慣れておきましょうね♪

セニッタ

はーい!

明菜

その後、後手も同じように歩兵さんと飛車さんを動かして
似た状態を作り出します。
お互い歩兵さんで仕掛けるので
「相掛かり」……覚えやすいですね♪

(補足)
この図で後手は、最後に飛車を対称の8ニに動かしましたが、
実際は8四の地点に動かす方が良いとされています

ねう

これが「相居飛車」ってやつなんだね。
居飛車じゃないのって、何ていうんだっけ…?

明菜

居飛車の反対は「振り飛車」です!
あらかじめ飛車さんを横に動かしておく戦法ですっ

明菜

では、振り飛車の一例として
「原始中飛車」というものをちょっとだけ見てみましょう!

セニッタ

いきなりまん中のほう動かしたねっ

ねう

なかびしゃ……っていうと、
飛車さんをまん中に持ってくるのかな?

明菜

そのとおりです!
少し進んだ局面がこちらです

明菜

原始中飛車では飛車さんの前に
歩、銀、角などを出して
中央突破を狙う戦法です

ねう

棒銀みたいに、やることが分かりやすいね!

明菜

その分、しっかり守られちゃうとこちらが不利になってしまうので
中飛車を指すには他の戦法を覚える必要があります

 

セニッタ

そういえば、中飛車いがいの振り飛車もあるのかな?
例えば飛車さんをもっと左によったり…

明菜

もちろんあります!
「三間飛車(さんけんびしゃ)」や
「四間飛車(しけんびしゃ)」と呼ばれるものがそうですね

明菜

こちらの図は四間飛車を組んだものです
王さまに右側がすっかり空いてますね♪

ねう

守りがうすいってことは、攻めていくたたかい方なのかな?

明菜

いえ、振り飛車はどちらかと言うと守りを中心にした戦法が多くあります

明菜

ちょっと進んだ局面です。
王さまを他の駒がしっかり守って、ちゃんと硬くなっています

明菜

飛車・角もちゃんと利いていて、
簡単には突破されない力強さで相手の隙を狙っていくんです♪

(補足)利き…駒が動ける場所と、その多さのこと。
   

セニッタ

へー!飛車さんの場所しだいで、いろいろ変わってくるんだね

 

明菜

続いては、有名な囲い(守り)の形を見ていきたいと思います。
えっと、何から見ていこうかな…?

ねう

さっきの最後の守りのかたち、どっかで見たことあるなぁ…
あれは有名なやつなのかな?

明菜

それはきっと「美濃囲い」ですね!
振り飛車の代表的な囲いですっ

美濃囲い

セニッタ

ヨコにたくさん駒がならんでるね。
攻めるのが大変そう……

明菜

この囲いは硬いだけでなく、様々な発展形があり、
戦況に応じて変化させていく事が出来ます

ねう

王さまの目の前のコマが少ないから、
そこを何とかしていくのかな?

明菜

はいっ、手数はかかりますが、
「銀冠」と呼ばれる状態まで持っていくとかなり前からの攻撃に強くなれます!

銀冠

明菜

美濃囲いは振り飛車用の囲いですが、
居飛車にもたくさんの囲いの形があります!
一番有名なのは、この「矢倉囲い」だと思います

矢倉囲い

明菜

矢倉囲いでは金銀3枚で王さまの、特に前方をしっかり守ります!
横からの攻撃にはあまり強くないので、攻めるとしたらそこからになる事が多いですね

セニッタ

ふ~ん、この形だったら結構みじかい時間で組みたてられそうだね!

明菜

短時間で囲える、というとこんなのもあったりします

カニ囲い

ねう

これ、「カニ囲い」って言うの?
おもしろい名前!

セニッタ

よくみると、飛車さんの前がけっこう進んでるね。
棒銀とかと仲がいいのかな?

明菜

はいっ、囲いにかかる時間が短ければ、先に相手を攻めることができます
「急戦」と呼ばれる戦いでは、大事な考え方です♪

(補足)急戦……相手が囲いを完成させる前に攻める方法・思想
    しっかり守られると不利になる事が多いので注意

ねう

たくさん見ると、やっぱり「一番強い囲い」って見たくなるよね!

明菜

すごく時間がかかりますけど、とってもとっても硬い守り方といったら
「穴熊囲い」ですね!

居飛車穴熊

明菜

王さまを香車さんの後ろまで潜らせて、
金銀で手厚くサポートする囲いです。
似たような形が振り飛車でも出来ますよ♪

セニッタ

つくるのが大変そうだけど、ここまでできたらかなり有利だよね!

ねう

これって無敵なんじゃないかな?
金将さんとかがとられちゃっても、また相手からもらったコマで囲めばいいし…

セニッタ

それは、相手がと金だとできないんじゃないかな?

明菜

そうですっ、また王さまに逃げ道がないので、一度追いつめられちゃうとかなり怖かったりするのが弱点ですね。
このように、どの囲いにも一長一短、個性があったりするのです♪

ねう

へ~、たくさん作戦があるって、やっぱり将棋はすごいね!
どれにしようか迷っちゃうよ

セニッタ

いっぺんに全部おぼえるのはできなさそうだから、
最初は1つか2つでもいいのかな?

明菜

ふふっ、それでも全然だいじょうぶですよ!
お気に入りの戦法を見つけて、まずはそれに慣れていきましょうか♪

ねう

ねー、わたしこれやってみたいっ!

ゴキゲン中飛車(先手)

セニッタ

ごきげん……なかびしゃ?

第8話へつづく! 

第7話:将棋編④ 『戦法は       よりどりみどり』

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