佐貫

奇跡は起こらないから奇跡と言うんだと誰かが言いましたが

水海道

奇跡も魔法も有るんですね!

松戸

ふふっ、流石に魔法は有りませんよ

水海道

でも!2学期中に先輩達全員推薦で大学受かるなんて!魔法みたいです!

竜ケ崎

敢えて魔法だって言うんなら、普段良い子にしてたからサンタさんが合格通知持って来てくれたんだな

小絹

竜ケ崎の進路が無事に決まって安心しすぎて胃が痛くなってきた

松戸

喜びの胃薬、飲んで下さいね

竜ケ崎

と言うか、俺より自分の進路心配しろよ

小絹

松戸はともかく、お前は浪人するのでは無いかと2年の頃から心配だったんだぞ

竜ケ崎

その節は申し訳ありませんでした

佐貫

実は俺も、竜ケ崎先輩が推薦取れたって聞いたときは反射的に左手つねりましたね

竜ケ崎

なんでそんな信用無いの?

水海道

そう言えば、小絹先輩は!大学のことお母さんにわかって貰えましたか?

小絹

わかって貰えたかというと、そう言うわけでは無い。
だけど、浪人して面子を潰されるよりは、このまま大学に入れた方が良いと思って居るんだろうな

水海道

???
そうなんですか?

小絹

家に帰ると文句ばかり言われるから、家に帰りたくない……

松戸

相変わらず複雑な事情が有るみたいですけど、今はその事は忘れませんか?
冬休み前のクリスマスパーティーをやるんでしょう?

竜ケ崎

恒例のジンジャークッキーとドーナッツ作ってきたぜ?

水海道

私も!フルーツケーキ!

小絹

……そうだな。今は家のことを忘れることにする

松戸

それじゃあ、みんなでブドウジュースを飲みますか。
今ビーカー出しますね

小絹

だからビーカーで飲むな

佐貫

しかし、なんだかんだで小絹先輩もパイを作ってきてましたし、俺だけ何にもしないのもアレですよね……

竜ケ崎

いや、気にすんなって。用意したいやつが好きなように持ち寄ってるだけなんだからさ

水海道

あっ、佐貫君!あのっ!

佐貫

ん?なんですか?

水海道

バイオリン!聴きたいです!

佐貫

ん~、水海道先輩は、俺のバイオリンがご所望ですか?良いですよ。
あ、他の先輩も、弾いても良いですか?

竜ケ崎

おう、構わないぞ

小絹

音楽部が廊下で楽器を鳴らしている状況で、止めなくてはいけない理由は無いだろう

松戸

ふふっ、それじゃあ、お願いしましょうか

佐貫

それじゃあ、竜ケ崎先輩、歌唱お願いします

竜ケ崎

突然振られて動揺を隠せないが、受けて立とう

水海道

あっ、佐貫君上手くなってる

竜ケ崎

ともに~すご~した~かがやくひびに~♪
なまえ~をつけてうめるしか~ないのかな~♪

松戸

……ああ、このままずっと

竜ケ崎

あなたのと~な~りをあるこうと~♪
ゆめみ~た~ぼ~くがないている~♪

小絹

時間が止まれば良いのに

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