ふふん。黒子猫は得意げに鼻を鳴らした。
 ひげを前にぴんと立て、両手を腰に当てる。得意満面といった様子で、文子を見上げた。

文子

お買い物、代行?

れぼん

お買い物を代わりにするぼん。

文子

代わりに?

れぼん

するの。

文子

誰が?

れぼん

れぼんたち。

文子

いつ?

れぼん

開催時間中。

文子

どこで?

れぼん

会場で。

文子

なにを?

れぼん

頼まれたものを。

文子

お買いもの?

れぼん

お買いもの。

文子

それって……。

れぼん

遠くて来られない人とか

文子

お仕事で行かれなくなっちゃったとか?

れぼん

急に用事ができちゃったり。

文子

どうしても抜けられない用事ができて

れぼん

当日会場まで来られない、でも。

文子

買いたいものがあるって人が。

れぼん

買える制度なの

文子

……

れぼん

文子

……んで。

れぼん

??

文子

なんで今までなかったのー!?

れぼん

ごめんなさいぼんー!

文子

はっ

 剣幕に驚いた黒子猫は、持っている本の下に必死で隠れようとした。その背の毛は逆立ち、ぷにぷにしていそうな足もお尻もわずかに震えてさえいた。

文子

あ、ち、違うの。

文子

れぼんちゃんは悪くないの。あのね。

 弱り切った文子の声に、黒子猫はそろりと起き上がった。
 

 しかしまだ背を向けたまま、じっと耳を澄ましているようだった。
 文子は黒子猫へゆっくりと語りかけるように言葉を紡ぐ。

文子

私、地方の出身なの。

れぼん

……

文子

私、今まで東京とか大阪とか行きたくても行かれなくて。

文子

Twitterとか眺めていても、羨ましくて。

れぼん

……

文子

オンノベも面白いものたくさんだけど、

文子

本は憧れっていうか。

文子

通販じゃ限界あるし。

れぼん

……

文子

だから、あの

文子

すごくすごくいいシステムだな、って

れぼん

……

文子

一年前にあればって

れぼん

利用した?

文子

した!

れぼん

いい制度って思う?

文子

すっごく思う!

れぼん

でしょう~っ!?

 パッと笑顔になった黒子猫は、くるんと回ってみせる。立ち止まったかと思えば、文子へ最大級の笑顔を向けた。

れぼん

Twitterとかで『エア参加』するしかなった人も

文子

うん!

れぼん

もっと参加している気分になれたらいいなって。

文子

うん!!

れぼん

始めたぼん!

文子

うん!!!

れぼん

お買い物代行の受付は、結構直前だから。

文子

そうなの?

れぼん

サークルさんに、Webカタログに登録してもらって。

文子

じっくり読んで選んで。

来られないことがわかったら

文子

残念だけど、でも

れぼん

代行で!

文子

企画もいっぱい

れぼん

お買い物もたっくさん!

文子

素敵イベント

れぼん

それが

れぼん

第三回は、
2016/3/21(月・祝)

れぼん

都立産業貿易センター台東館 4F

れぼん

サークル参加・委託参加申し込みは
2016/1/11まで、ぼん!

文子

行く!

れぼん

来てね!

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