会場内は熱気で包まれていた。

　文化会館を利用した地方でのアイドルコンサート。

　今流れに乗って来ている三人組の若い男性アイドルユニット、ギャラクシー・ナイツの歌は力強く、元気とやる気を分け与えてくれるものとしてそのビジュアルも含めて若い女性からの支持が熱い。

　元々はネット上でのみ活動をしていたギャラクシー・ナイツであるが、その姿が大手レコード会社の目に止まり本格的なアイドルデビュー。最初こそ所詮はネットアイドル、調子に乗るな、などと叩かれていた。

　今でもそうしたネット上での被害は後を絶たない。ギャラクシー・ナイツで検索を掛ければ五番目くらいには@チャンネルと言う掲示板サイトで彼らの悪口を書いたウェブサイトが出てくる。

　大体の書き込みが男性によるものだとは思うが、別のアイドルを応援している女性の中にもそうした目を向ける輩はいる。

　それでもめげる事無くこうして活動をする彼らの姿は、私を含めた一ファンにとってもっと応援しようと言う思いを抱かせてくれるものだった。

　演目が全て終わり最後の時間がやって来た。

　三人のアイドルが去る姿を、私たちファンは全力で止める。

　閉じようとしていた幕が途中で止まり、また上がり出す。

　照明が再び彼らを照らし出す。アイドル達が戻って来た。

　その言葉を聞いた私たちは大歓声を送る。

　まだ発売していないCDに収録されている曲……それを生で聞けるだなんて！

　これで興奮するなと言うのは難しいだろう。
　

　そうして歌が始まる。

　新曲名は「ダイスキ☆」

　何時も応援してくれるファンに対し向けた思いを綴った曲。

　三人の歌は今日も若い女性たちを魅了する。

　あぁ……有給使って来て良かった。

　最近付き合っていた彼に振られたばかりで、本当に死にたいと思っていた私だけど……彼らのお陰で元気を取り戻す事が出来た。

　もう、当分彼氏は良いかな。