震える声を振り絞って叫んだ。
あなたが、好きです!
震える声を振り絞って叫んだ。
私は……私は……
彼女の声は震えていた。
抜けるような青空はぎこちない二人の上で高みの見物を決め込んでいる。
旧校舎の屋上。うちの学校の生徒なら誰でも知っている告白の名所だった。男女が二人でいるのを見かけたら、気を利かせてそっと立ち去るくらいには。
私は胸いっぱいの期待が零れ落ちないように口を結んで立ちつくしている。
こんなところに呼び出したら、なんのことかわかっちゃうよね
そして、躊躇いがちに呟くように告げた。
ごめんね
私の顔をまっすぐに見たまま、彼女は言う。
私はざわつく心を必死に抑えながら屋上の入り口を通り抜けた。
私は彼女をずっと愛していた。