メディチネル

もう、ホントに困っちゃう

プリンセペル

どうした。お前がこんなに怒るなんて珍しいな

メディチネル

どうしたもこうしたも、永遠の命を求めて変な実験をしてる人間が居たんだよ。
将来的にそっちにも行く話だと思うけど

プリンセペル

真っ先にお前の所に話が行ったと言う事は、医学的な事でやらかしたのだな

メディチネル

あれ?そう言えば、ふと思ったんだけど

プリンセペル

何だ?

メディチネル

永遠の命って、存在するのかな?

プリンセペル


言われてみれば

メディチネル

……

プリンセペル

……

数週間後

語主

で、なんで俺の所に転がり込んでくんの?

メディチネル

語主は僕達より世界の真理に詳しいでしょ?教えてよ

語主

そうかも知んないけど、俺はお前達より年下なの忘れてね?

プリンセペル

お前が私達よりも年下なのはわかっている。
年齢と知識の範囲は関係が無いだろう

語主

まぁ、そうなんだけどさ。
あ~、で、『永遠』って物が存在するかどうかだっけ?

メディチネル

そうそう。うちの神に聞いても教えてくれなかったんだ

語主

結論から言うと、存在するとも言えるし、存在しないとも言える

プリンセペル

なんだ、その玉虫色の答えは

語主

人間から見たら俺達って、永遠に存在する物のように見えるだろうけど、実際俺達っていつまでもこの世界に居ると思う?

プリンセペル

ん?うむ……そう言われると難しい問題だな。
少なくとも、寿命を迎えた天使の話は聞いた事が無い

語主

じゃあ、天使に寿命は無いと思うか?

メディチネル

えええ……?そう言えば、どうなんだろう。
前例は無いけど、生物学的には寿命が無いとおかしいし、有るのかな……無いのかな……

語主

そんな感じで、見た事が無い、若しくは認識した事が無い物はわかんないんだよ。
有る可能性も無い可能性も、どっちも同等なだけ有るわけ

プリンセペル

なんだそれは。まるで『シュレディンガーの猫』だな

語主

まさにそれだよ。
まぁ、永遠ってのが有るか無いか、確実にわかる時ってのは、永遠が全て消えたときだろうな

メディチネル

あー、『永遠』を体感してる間は『永遠』を認識出来ない?ってこと?ヘブライ語でおk?

語主

そうそう、そう言う事。
あと、俺が話してるのは日本語な

プリンセペル

なるほど。なかなかに深い話だ。
父なる神は我々に自らの存在について考えよと、そう思われてお話を聞かせてくれなかったのだな

語主

いや、単に説明が面倒だったんだと思う

メディチネル

そっかー、そう言う事なんだね。
語主、お話聞かせてくれてありがとね

プリンセペル

余り邪魔しても悪いからな。我々はこれで失礼する

語主

おう、シエルンによろしくな

語主

いつかこの世界は必ず終わりを迎えるなんて、迂闊に言えないよなー

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