……という夢を見たんだ

ふざけるな

ころすぞ

あー

都合良すぎだよ、その夢

そうかな

ぽんぽん都合良く話が進みすぎでしょ。記憶喪失ぐらいはまあいいけどさあ

序盤の展開を早くしないと読者が離れてしまうだろ

いまどきは

うるせえ

実は、その夢をもとにラノベを書いてみようと思っててさ

あーはいはい

出た出たって感じだね

実はもう書いたんだけど

いろいろ設定をつけくわえて……

こちらになります

ずいぶんしっかりした装丁だな

自費出版したからね

200万かかった

うっ

読んで読んで

う……うん……

どれどれ……

…………

………………

……………………

あらすじ:
重度のフランスパン中毒のために更生施設に入れられている主人公の元に、謎の騎士が訪ねてくる。彼は主人公に暗黒騎士としての運命を伝え、何者かによって殺される。最後に謎の言葉を言い残す「バラのつぼみ」

騎士の残した謎の言葉が気がかりになりながら、主人公はふらりとバー・レモンハートに行ってビールを飲む。「完璧な文章などといったものは存在しない。 完璧な絶望が存在しないようにね」とかなんとか言ってるうちに行きずりの女の子と寝る。やれやれ

一方その頃、遠い国の浜辺では、一匹の小さなアジサシがぽつぽつと歩いていた、彼は自分でも理解できない精神的な理由により飛べなくなってしまったのだ。事態を重く見た織田信長は一向宗の信徒たちをして容赦ない兵糧攻めにするのだった。

その後、主人公はひょんなことからホルマリン漬けの死体をかき回すアルバイトを始める。ところが気がかりな夢から目を覚ますと自分が虫になっているのに気がついた。バッタの筋肉を移植された主人公は超人的な跳躍力を持つことになる。

主人公は銃をたずさえ「暗黒の塔」を目指して荒野を旅する。しかし工事中で先に進めない。洞窟の中に、自分こそがナンバースリーだと全員が主張する凶暴なモグラが五匹も住みついていたのだ。なんてこったい。

砂漠をさまよう主人公の元に、小さな王子があらわれる。「羊の絵を描いてよ」「ちがうよ。そんなゾウをのみこんだボアの絵じゃなくてさ」一方そのころ怪奇植物トリフィドを栽培する施設では……

いい加減にしろ

あ、やっぱり

有名な作品を露骨にパクるな

ばれないと思ったのに

時間軸や場所が支離滅裂すぎるだろ

…………大五郎くん

なに

ドラッグやってるでしょ

ビタミン剤ですたい

やめたって言ったじゃない

…………

………………

いつでもやめられるさ

いいから出せ。持ってるんだろ

う……うう……すまん涼子

弱い人間で……すまん

出して

ううう……

やっぱり危険ドラッグか

こ、これは植物用の肥料で……

ペロ……

お、けっこう純度高ぇな

モグッ! モグモグッ!

あ、涼子! てめえ!

誤飲しちゃった~

てめえ! よくもおれのネタを!

急に普通なこと言いだすから変だと思ったら!

騙されるほうが悪いよ。
この食人鬼のナイチンゲール涼子がいまさらブツぐらいでガタガタ言うわけないじゃん

て、てめえ~!
大事に隠し持ってたのに!

ちなみにどこに隠し持ってたの?

そりゃ、定番の場所ですよ

直腸

ゲエッ! オエエエエエエエエ!

やーい

お前ら……

あっ警部

ひどいんですよ。
この女、ぼくのブツを……

言いたいことはそれだけか?

あんたたち二人とも……

逮捕だ

あ、うん

わお

……ごめん

お前らとやっていくのもう無理

ですよね~

連行する。歩け

…………

…………

あ、人が死んでる

わー。殺人事件だ

殺人事件ですよ! 警部!

そんなことはどうでもいい! さっさと歩け!

…………

さようなら大五郎、そして獄中へ……

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