たとえ未来を告げられたとしてもその通りにいくとは限らない。
雪の舞う2月のある日、乙成星(おとなりせい)はマフラーに顔をうずめ学校への道のりを足早に歩いていた。高校卒業を目前に控えた星は週に一度の登校日を心待ちにしていた。なぜなら、友人と顔を合わせる数少ない機会だからだ。
進路は皆バラバラだが、SNSの普及した今の時代ではたとえ住む場所が違えど、つながることは可能である。
しかし星にはそれは不可能だった。
彼女に残された時間はもう長くはない。
星は幼少期から体が弱く、体力もあまりなかった。かけっこではいつもいちばん最後。しかし、持ち前の明るい性格のおかげか、それに苦しむことはなかった。
しかし高校2年生の冬、星は病に倒れた。
あれから1年のときが経ち先日ついに医師からこう告げられた。