消えゆく想いと物語



















なんだよ、話って

ひとみ

とぼけないで! わかってるでしょ?


 ひとみはいつもの怒った顔で、俺にくってかかる。
 呼び出しておいてこれだ。

 ……心なしか顔が赤いのは、夕陽のせいか、怒っているせいか、それとも。











いや、怒ってないな。夕陽のせいだな

ひとみ

……あんたね、もうちょっと空気読みなさいよ

そんなこと言われたってさ……急に無理だろ

ひとみ

無理って、この状況がどういう空気かくらいわかるでしょ?











わかんねーよ。わかるわけ……ないだろ

ひとみ

嘘よ、なんでそんなこと言うの?











ひとみ

わかるわけ……ないだろ。

ってなによその溜め。格好付けてるの?

うっさいな。ていうかさ、女のその、わかってるでしょっていうの、やめて欲しいんだよね。
あと、今こう思ったでしょ! って自信満々に言ってくるのもマジやめて。いくら否定しても信じないし

ひとみ

あんた……絶対モテないでしょ?

なっ……!
そんなことねーし! モテまくりだし!

ひとみ

はいはい。見栄張らない

見栄じゃねーよ! そういう決めつけをやめろって言ってんだぞ!
まったくお前は……











お前のこと、ほんとわかんねーんだよ。いつも突拍子もないことするし、その、お前の気持ちだって、聞いたわけじゃないからさ

ひとみ

武……気持ちって

なっ……! ちがっ


 思わず口にしてしまった一言に、俺は顔が真っ赤になる。











ひとみ

あらあらあら?
なにかしらー? 気持ちって

からかうなって。

あーあ、こういうのってだいたい男が鈍いってされるけどさ。思わせぶりなことばっかする女も悪いと思わないか?
つーか、勘違いだったら恥かくの男の方なんだぞ? ビクビクしてるもんなんだぞ?

ひとみ

うっわ、きも。
モテたことないヤツは発言でわかるわよね

うっさいよ?!

くそ……この女いつもそうだ。
むちゃくちゃ言いやがって











ひとみ

……そうだよね。わたしっていつも、めちゃくちゃだもんね。

でもね、武。……あってるよ。
武が想像している通りの話だよ

ひとみ……


 ひとみはいつもとは違う、真剣な眼差しで俺を見つめる。

……わたし、武のことが好きなの

えっ……











ひとみ

……うわーなにそれ

えっ、いや、いまのは!

ひとみ

確かに想像通りだとは言ったけど……
流れ的にそうだとしても、ねぇ?

自分でそれ言っちゃう?

う……うわあああああああ! やめろおおおお!
そんな目で俺を見るな!











ひとみ

驚いたフリはやめて。

……わかってたでし?
わたしの気持ち

…………


 わからなかった、といえば嘘になるかもしれない。
 でも……俺は。











ぷっ……うわははははは!
だめだ、堪えられない!

なんだよ『わかってたでし』って!

ひとみ

ちょ、ちょっと噛んだだけじゃない!
笑うなんてサイテー!

いやだって、そんな大事な場面で!
噛むなよ!

ひとみ

うるさい、黙れ











……ごめん、俺


 そうだ、ひとみの気持ちには、薄々気付いていたんだ。

 でも友だち同士の関係が楽しくて、ずっと目を逸らしていた。
 それに……。

他に好きな子がいるから……

ひとみ

……っ!


 好きな子がいるから。俺には、ひとみの気持ちに答えることはできない。

 でもだったら、俺はひとみと距離を置くべきだったのか?
 気持ちに気付いた時点で、友だちを辞めるべきだったのか?

 そんなの、無理だ。











ひとみ

ふぅん。ま、しょうがないわよね。
わからないでもないわ

お、珍しいな。また貶すと思ってたが

ひとみ

そう簡単に割り切れるもんじゃないでしょ?

……まーな











ひとみ

さちこ……ね?

えっ……

ひとみ

気付いていない、って思った?
……わかってたよ。いっつもさちこのこと、見てたもんね











ひとみ

やっぱ許せん

なんでだよ?!

ひとみ

さちこって、友だちでしょ? やっぱ酷い。
こっちの視線に気付いていながらそれは酷い

そんなこと言われてもなぁ。
つーか、友だち同士の三角関係とか……泥沼だな

ひとみ

でしょうね











ひとみ……じゃあ、どうして

ひとみ

どうしてって、理由必要かな?


 ひとみは少しだけ微笑んで、俺を見つめる。

ひとみ

武が、さちこのこと……好きだって、わかってても。それでも、わたしには諦められなかった。そこに理由なんてないし、だからって告白しちゃいけないなんてことは、ないでしょ?

それは、そう……だけど

ひとみ

武の言いたいこともわかるよ。ずっと楽しく友だちやっていけたらって、思ったりもした。
……でもさ、やっぱり辛いんだよ。このまま気持ちを隠し続けて、友だちを続けることが。叶わないって、わかっていながら武のことを見ているのが

…………


 そうだ、ひとみはそういうヤツだった。
 ダメだとわかっていて、それでも諦めることができない。
 ハッキリさせないと気が済まない。
 ずっと、隠したままでいるなんて、できないんだ。











ひとみ

でもさ、武とさちこが上手くいくとは限らないじゃん? チャンス待っててもよかったかもね

お前はほんと、色々台無しにするよな

ひとみ

本当に叶えたいなら、それくらいの忍耐力も必要ってことよ。
もっとも、うじうじしてたらそれはそれでサッと誰かに取られちゃうかもしれないけど

……めんどくせーな

ひとみ

は? いまめんどくさいって言った?
お? どの口がそんなこと言うんだ?











……ごめん

ひとみ

いいよ。……でもね、告白して、フラれても……やっぱりわたしの気持ちはかわらない。
だから、いつかぜーったい、武の方から
『付き合ってくれ』
って、言わせてみせるんだから











ひとみ

お前は次に、振ったの後悔したと言う

言わないよ?!
ドヤ顔でなに言ってんの?!




……いやでもさ、ちょっともったいないよな

ひとみ

うーわー、キープしたかったんだ?
ひっどーい

なんなの、お前は俺をサイテーな男にしたいのか?












 ひとみは笑顔で、そんなことを言う。

 だけど俺は見てしまった。その瞳から、涙が零れるのを。



















































 

あーしまった、間違えてヒロインの顔全部同じ表情になってる!
喋らせるキャラ間違えてたり、脱字もあるし……。
何回チェックしてもミスが無くならないなぁ




 

でも、これこの後どうしようかな。
どうオチをつけよう。まったく思いつかないんだよね




 

……改めて読み返してみると、ありきたりで面白くないかな?
やっぱボツにするか……これ……。

難しいなぁストリエって……

















ぷつん































ひとみ

……なによこれ

……酷いな

ひとみ

やってらんないわね……

次はまともな役だといいな、お互い








ひとみ

ねぇ、今夜は飲むわよ

ああ……俺も今言おうとしてたんだ。

今夜飲みに行くの、
『付き合ってくれ』

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