忘れるな
次は私の番だね
みんななかなかいい話が来てるからね
期待してるぞ
……ちゃんと怖い話をしてね
ところでさっきの後輩くんはいいの?
ああ、いいよあいつは
これは去年の夏休みに起こったことなの
やっぱり夏休みはサイコーだね!
学校行かなくてもいいし
早起きする必要もないし
なにより勉強をしなくてもいい!
まさに天国!
なんか学校の印象とは全然違うわね
それは気にしないで
もらえると助かるんだけど…
それで自由気ままに
夏休みを楽しんでたんだけど
日がたつにつれて変な夢を
見るようになったの
ここは…
お前か
だ、誰!?
お前だな
お前なんだな
ちょっと!なんで追いかけてくるの!
忘れるな
忘れるな
忘れるな
いや!なんなのほんとに!
来ないで!
……はぁ……はぁ
夢か…
一体なんなの…
その日以降もずっと同じような夢を
見るようになったの
それも日に日に出てくる人物が増えていくの
忘れるな
忘れるな
忘れるな
思い出せ
思い出せ
思いだせ
なんか2Pカラーみたいなの増えてるし!
忘れるな!
忘れるな!
忘れるな!
怒った!?
……もうやだ
忘れるな
……
寝不足になりがちになったせいも
あるかもしれないけど
夢の中以外でも声が聞こえてる
気がするようになったの
そして夏休みが終わろうとする1週間前
今までと違った夢を見たの
あれ、いつものがいない
でも、また新キャラが…
あなたは忠告を無視しました
あなたは自分の愚かさを知るでしょう
あなたはもう逃れられない
現実を知り、絶望しなさい
……なに今日の夢
予知夢ってやつ?
はーい
おはよう
朝からどうしたのお母さん
もうすぐ夏休みも終わるんだけど
宿題やったの?
………
やってないんでしょう!
ごめんなさい!
今日からはずっと宿題ね
うえー
なんで休みに勉強なんか…
忘れるな
また……
なにを忘れるなって言ってるのよ!
なに…机からなにか…
なんだノートか…
あれこの色……
忘れるな
あの変なの!
もしかして!
忘れるな
忘れるな
やっぱり…
………なんでノートが擬人化して
宿題を押し付けてくんのよ
私の話はこれでおしまい
だから……もういいや
ところで宿題のほうは…
終わりませんでした
しっかり忠告してくれてたのにな
あんな夢でどう気づけって言うのよ…
怖い話というよりは不思議な話だったね
では審査員に優勝者を
決定してもらいましょう!
私の番は!?
なに言ってんだよ審査員
早く1位を決めてくれ
勝てるかな…
審査もなにも怪談ですらなかったじゃない!
じゃあどういうのが怪談だっていうの?
そういわれても…
お手本ってやつを見せてもらいたいね
どんなの?
じゃあ……
実は私もう死んでたの
みたいな感じ?
おわり