世界が終わる。最初は信じられなかったが、上空には巨大な隕石が見える毎日になってそれを嫌でも信じざるをえなくなってきた。NASAが迎撃計画を立てたなんて話もあるがどうやら失敗に終わったらしい。まあ終わるものはしょうがない。だんだん腹をくくる覚悟ができてきたのだが、そんな矢先にこんな張り紙が学校で貼られた。
 張り紙の概要はこうだ
 ①神界では優秀な人材を常に募集している。
 ②学校に転校生としてヴァルキリーと呼ばれる人材選びをする人物を送り込む計画がある。
 ③希望者はヴァルキリーと面接を受けることができるが、面接に落ちると問答無用で即死して地獄行きとなる。
 ④面接は最大3人まで同時に受けることができる。
 ⑤審査時に持ち込める道具は一人一つまで。
 ⑥隕石衝突までが期限となる。恐らく9/30日ぐらいというのが現在の予測。ただしヴァルキリーも死にたくないので多少早めに切り上げる可能性あり。
 ⑦一度の面接で判断がつかない場合神界行きか地獄行きかを保留にされる場合もある。
 ⑧活動の補佐役も募集している。円滑に面接の手伝いができる場合は神界行きになる。もちろん邪魔をすれば地獄行き。
 ⑨行方不明者の行き先は原則非公開とする。
 ちなみに少しでも優秀な人を育てるために夏休みはカットされた。そんな世界でもある。

 要するに天界行きか地獄行きかこのまま死ぬか活動を補佐するか選べるってことかな。それにしても失敗したら即死亡っていうのは怖いところだな。できればギリギリまで延命したい気はするな。まあどんな世界でも優秀な奴の方が生き残れる可能性がありそうなのは確かなのだろうが。

 どうやら転校生は今日来るらしいな。一体どんなやつなんだ?

 わかんないねー。とりあえず焦らないほうが長生きできそうな気がするよ。

 でも実際には先着順で今後のルートが決まる可能性もあるぜ。あまり構えているのが賢いとは限らないんじゃないか?

 確かにそれもありうるな。何より早めに切り上げる場合ありってところはあまりのんびりしすぎるやつは相手をしないってことかもしれない。でもまずはどんなやつなのか見てからだな。

 まあ地獄にはいきたくないからな。そこは慎重にしたほうがよさそうではある。

 おーい 授業始まるぞ。とりあえず教室に入りなさい。

 は、はい。

 早速だが今日は大事な人物を紹介する。建前上は転校生だが、死んだあとみんながどうなるのかをこの人が決めるというルールになっているのでくれぐれも慎重に対応して欲しい。

 はじめまして。張り紙を読んでいただいた人には私がどんな人物なのか理解していただいたと思うので名前についてはあえて言いません。どうしても必要な場合はヴァルキリーと呼んでください。早速ですがこれから1ヶ月皆さんを観察させていただきます。正式に何人神界に送るかということは決まっていません。また順番によって面接結果が変わるということはありませんのでその点はご安心ください。

 とりあえず良識はありそうな感じだな。

 みなさんの今後のことは私の独断で決めていってもいいのですが、できればこのクラスについて知っている人に手伝って欲しいとも考えています。というわけでそこのメガネをかけている君に私の補佐役をやってもらいます。

 ちょ、ちょっと考えさせてください。

 残念ながら私に逆らったら問答無用で地獄行きです。

 わ、わかりました。やります。

 うわー。人の人生を決める補佐役か。これは恨まれたりしそうだ。

 かくして学校に人生の選別人が舞い降りた。しかし補佐といっても実際どんなことをするのだろうか・・・やっぱり人の人生を左右するからには責任重大なことは間違いなさそうだが。というか企画考えたはいいけどちゃんと書けるのか。そこが一番怪しい。

学校にヴァルキリーが来たんだけどどうすりゃいいのよ?

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