わーい!
和カフェっていいね!
和室っていいね〜!

今日もまたカフェ巡りだね

えっ……
トキオくんは
カフェ嫌い?

嫌いじゃないよ

トキオくんも
おいしいもの好きだし
カフェ巡り
楽しんでくれてるかと……

楽しんでるよ

よ、よかった……
つまんなかったら
どうしようかと……

それにしても
ユミコさん、
ほんと色んな店を
知ってるよね

えっ、うん。
ネットで探して、
いいなと思うお店は
クリップしてあるんだ♪

今日のお店も、
抹茶シフォンケーキとか、
すごくうまそう

あっ、
私もそれ食べたいと
思ってたんだ♪

僕はそんなに
お店とか
知らないから……
いつも勉強になるよ

そ、そんな。
照れちゃうな……

やっぱ長生きしてる人は、
違うね

長生きって……
トキオくんとそんな
大して違わないよ

でもやっぱり
僕より生きた歴史が長いから、
色んな店も知ってるんだね

また人をお年寄り扱いして〜。
年上だってこと、
気にしてるのにぃ。

ごめんごめん

でもおかげで、
色んな店に行けて
楽しいよ

そ、そう?
それならよかった

使えそうな店も多いし

使うって……
なにに?

デートに

デートに使うって、
誰とのデートに?

いや……
それは……

私と行ったお店に、
他の誰かと
行っちゃうの!?

まあ、
いつかそんな時が来たら

いつかって……
今はいないの?

ん……
まあ、カフェに
一緒に行く人くらいは
いるけどね

えっ、誰?

まあ、時々ね

うそ……
誰と行くの?
バイト先の
ユリちゃん!?

誰だっていいじゃん
お茶するだけなんだし

気になるもん。
誰?

だから
お茶するだけで
何もないってば

誰なの……

わかんない?

だから……
ユリちゃん?
バイト先で仲良しなんでしょ?
だからバイト帰りにカフェとか
行ったりしたんじゃないの?

違うよ

じゃあ誰?

ユミコさん

えっ……
わたし……!?

私だけ?
あとは……?

いないよ
ユミコさんだけ

ほんとに……?

俺も、そんな
いつもお茶するほど
ヒマじゃないからね

よ、
よかったあ……

……あ、でも

お茶するだけで、
何もないって
言った……

よくおぼえてるね

確かに……
私たち、
お茶してばかりで
他に何も
してないよね?

したよ

えっ……?
何かしたっけ?

うん。
誕生日プレゼントもらったり、
誕生日プレゼントあげたり。

あ、ああ……
そういえば、
そうだね

でも!
カフェでしか
会ってないよね

そうだね

前から聞こうと
思ってたんだけど……

私たちって、
なに?

なに、って……?

だから、私たちって
どういう関係なのかなって

ん〜……

茶飲み友達?

えっ……
それだけ?

他に何がある?

で、でも、
お誕生日プレゼント
交換したし……
茶飲み友達以上じゃないかな

じゃあ、
誕生日プレゼント交換する
茶飲み友達

えっ……

それじゃ
イヤなの?

私……
茶飲み友達だなんて
思ってないよ……

じゃあ
なんて
思ってるの?

えっ……

お待たせしました。
抹茶シフォンです

あっ……
ありがとうございます

どうぞ
ごゆっくり

……
今の人、
カッコいいね

うん、そうだね

えっ……
嫉妬しないの?

べつに

俺と一緒にいるのに
よそ見なんて
すんじゃねえよとか
怒らないの?

うん。
怒らないよ

えっ、だって、
イヤじゃないの?
よその男の人見てて

いやじゃないよ
誰を見てもそれは
ユミコさんの
自由だと思う

そんなものなのかな……
私だったら、
イヤだけどな……

ケーキ食べようよ。

あっ、うん。
いただきま〜す♪

わあい、
おいしいな♪

………

どしたの?
食べないの?

いや、
美味しそうに
食べるなって

えっ、うん、
おいしいの
大好きだから♪

これからも
ずっと一緒に、
お茶飲めたらいいよね

うん♪

またこのお店にも
来ようね♪

いや、もうここは
来ないと思う

えっ、どうして?
口に合わないの?

そうじゃなくて…

ユミコさんとは
毎回違う店で、
お茶したいんだ

なんで……?

一緒に
新しい経験を
していきたいから……

どっ、どうしたの?
なんか急にそんなこと言って

でも私も
ずっとトキヤくんと
お茶していきたいよ♪

よかった

でも……
私たちって、
お茶だけなの?

それじゃダメなの?

ダメってわけじゃ
ないんだけど……

でも、
もうちょっと
仲良くなりたいかなって……

もうちょっと仲良くって
たとえば?

たったとえば、
手をつないで
歩いたりとか……

それはムリだ

えっ、なんで?

だって、カフェで
お茶飲みながら
手をつなぐなんて
できないでしょ?

そうじゃなくて、
カフェに行くまでの道で
手をつなぎたいの!

ごめんそれも
ムリ

なんで〜!?

僕は、
手汗が
すごいからね
ちょっと恥ずかしいよ

汗なんて
全然かまわないよ!
手をつなぎたいよ!

なんで手を
つなぎたいの?

そんなの
理由なんかないよ!
つなぎたいから、
つなぎたいの!

でも僕は別に
このままでも
充分楽しいよ?

私となんか
手をつなぎたくないんだね……

私と手をつないでも
恋人みたいに
見えないかもしれないもんね……

お姉さんと弟が
手をつないでるみたいに
見られちゃうかもしれないし……

それを言うなら
おばあさんと孫でしょ?

もうっ
いいかげん
おばあさんネタ
やめてよ!

まあいいじゃん。
これからも僕は
ユミコさんと
お茶をするよ。
ユミコさんとだけだよ

そ、そっか……。
私だけと
お茶するんなら、
まあいいかな……

うん、
デートは
別の子と
するから♪

もぉ〜っ、
またそんなこと言って!

でも今、
僕といて、
楽しいでしょ?

う、うん……

じゃ、これで
いいじゃん

そ、そうなのかな……

そうだよ

まあ……
今日のところは、
これでいいか♪


「年下くんと年上さん」
いかがだったでしょうか……☆

いったんこのお話はこれで終わります。
初めてストリエを試してみましたが、
とっても面白かったです。
もしよければ感想をコメントに
書いていってくださいね(≧∇≦)♪

年下くんと年上さん (3)

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