ロールケーキ

ももと

先に食べてたよ

かりん

どうしたの、めずらしい


独特な刺激臭がかりんの前を漂った。

かりん

ん?
ものすごく
くさいんだけど

ももと

餃子

かりん

餃子?

食べてれば
臭わないからね~

きーめた、夜は餃子


冷凍庫から餃子とりだして、フライパンで蒸して、後は口に入れるだけの簡単な作業。

かりん

もうお腹いっぱい
食べられない


その他、野菜も食べただろうか、お腹いっぱいにしたところで、改めてにおいをかぐと、もう臭くはなかった。

そのかわり、先ほどまでの臭いに隠されていた、微かな甘い香りがただよっていることにきがついた。

かりん

なんだろ


そろっと、その場を去ろうとするももとに、かりんは何か不審な物を感じとった。

かりん

どうして逃げるの

ももと

逃げるわけじゃないよ

かりん

はっ
ちょっとまって


走って逃げようとするももとの袖をひっ捕まえた。

かりん

この香り
カラメル?プリン?


やられた。

冷蔵庫に向かい走っていくかりん。

そこには一口サイズにまで小さくなったロールケーキが寂しそうにかりんを待っていた。

かりん

分けてっていったよね

ももと

分けたよ、二つに

かりん

なんで真ん中で分けないの

ももと

それは、手が滑って

かりん

手が滑って
2センチもずれません

ももと

そうだ、ダイエットは?

かりん

してません

ももと

いやぁ、お腹いっぱい
だろうと思って

かりん

ちょっと待って!

ロールケーキ食べたのは
食事前よね



ももとは固まった。

そして、ゆっくりと腕を前に伸ばして親指を立てポーズを決めた。

ももと

ごち!


負けるなかりん。
そのロールケーキは狙われている。

かりん

いつまでもあると思うな
ロールケーキ

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