ロールケーキ
ロールケーキ
先に食べてたよ
どうしたの、めずらしい
独特な刺激臭がかりんの前を漂った。
ん?
ものすごく
くさいんだけど
餃子
餃子?
食べてれば
臭わないからね~
きーめた、夜は餃子
冷凍庫から餃子とりだして、フライパンで蒸して、後は口に入れるだけの簡単な作業。
もうお腹いっぱい
食べられない
その他、野菜も食べただろうか、お腹いっぱいにしたところで、改めてにおいをかぐと、もう臭くはなかった。
そのかわり、先ほどまでの臭いに隠されていた、微かな甘い香りがただよっていることにきがついた。
なんだろ
そろっと、その場を去ろうとするももとに、かりんは何か不審な物を感じとった。
どうして逃げるの
逃げるわけじゃないよ
はっ
ちょっとまって
走って逃げようとするももとの袖をひっ捕まえた。
この香り
カラメル?プリン?
やられた。
冷蔵庫に向かい走っていくかりん。
そこには一口サイズにまで小さくなったロールケーキが寂しそうにかりんを待っていた。
分けてっていったよね
分けたよ、二つに
なんで真ん中で分けないの
それは、手が滑って
手が滑って
2センチもずれません
そうだ、ダイエットは?
してません
いやぁ、お腹いっぱい
だろうと思って
ちょっと待って!
ロールケーキ食べたのは
食事前よね
ももとは固まった。
そして、ゆっくりと腕を前に伸ばして親指を立てポーズを決めた。
ごち!
負けるなかりん。
そのロールケーキは狙われている。
いつまでもあると思うな
ロールケーキ