グランチャリス大聖堂

ミカエル

二人とも本当に勘弁してぇよ!!

アリエル

言えてねーぞ

サリア

言えてませんね

ミカエル

あのさー
僕って一応偉いんだよ…
知ってるよね?

アリエル

大天使ミカエル様だろ?

サリア

神の次席であり
聖堂騎士団を統括する
大天使

常識ではないですか!

ミカエル

だったらもっと優しく扱ってよ!
あと、言う事聞いてよー!!

アリエル

だーから言うこと聞いて
この馬鹿連れてきただろ?

サリア

まぁ、私は納得していませんが

ミカエル

あのままサリアちゃんが勇者ちゃんと
戦っていたら、きっと勇者ちゃんは
死んでいたよ?
それでいいわけないでしょ!

サリア

やる気がない勇者など必要ありません
あの者は世界にふさわしくない…
ミカエル様、あの者の討伐の許可を
是非私に!

アリエル

だから落ち着けってサリア

ミカエル

ねぇ?監視は
監視って意味は何なの?
知ってる?

アリエル

まぁ、サリアそもそも監視に
向いてないかもなー

サリア

何故ですか?

アリエル

ミカエル

はぁー
今日はもういいよ
二人ともありがとう
また、なにかあったら
呼ぶねー

サリア

ぐっ!

アリエル

へいへい
了解です
いくぞ!
サリア!!

サリア

わ、分かりました!!
で、では、ミカエル様
先ほどの件、ご検討のほど…

ミカエル

するわけないでしょ!

アリエル

んじゃ
お疲れーっす!

ミカエル

…はぁー
まったくサリアちゃんにも困ったもんだよ

ミカエル

アリエルちゃんも若干テキトーな所あるし

ミカエル

まぁ、二人とも
実力はあるんだけど…さ

ミカエル

もしかしたら
本当に魔王も倒せるかも…

ミカエル

装備の問題はある…でも
それさえ解消できれば…

ミカエル

って、やめよう
彼女達には彼女達の
勇者には勇者の役割が
あるんだから

ミカエル

僕も僕の役割を果たそう

ミカエル

よし!
とりあえず
ゲームやろっと♪

魔王の城

サレナ

姫様

どうした?
サレナ

サレナ

勇者と聖堂騎士団の団長、副団長が
交戦したようです

交戦?
奴らには不可侵の契りがあった筈だが?

サレナ

その通りです
現在、理由を配下の者に
調査させております

そうか…
まぁ、共闘ではないだけマシだろう

サレナ

えぇ、そうですね

それよりも、サレナ?

サレナ

はい

例の件はどうなっている?

サレナ

それについては順調です
滞りなく進んでおります

そうか
ならば良い…

決行は近い
皆にも、そう伝えてくれ

サレナ

了解しました
いよいよですね

サレナ

いよいよ
我らが…

あぁ、そうだ

我らの新時代が始まる

「宵の時(よいのとき)」はすぐ目の前だ

サレナ

あぁ、やっと…

そうさ
やっと、だ
やっと…
勇者よ

待っているぞ…

この世界は醜い
少年はそう思った

だが少年の隣にいた少女はそれを否定した
何も分かっていない
何も知らないだけだ
世界は本来美しいものだ

少女はそう思った
いや、知っていたのだ
世界の本来の価値を

それを証明してくれと
少年は少女に伝えた

証明するために少女は
少年に魔法をかけた

そして自分にも

そして、最後に一つ
仕上げの魔法を…

幼き日のたわいのない約束
だが、それはやがて世界を
改変する出来事の始まりであった

その事実に気づくものは
誰一人いなかった

これは約束の物語
そう
それを果たすために
彼らは存在する

続く(第二部)

作者より

一応ここで一区切りです。
次回(8月)から第二部を書いていきます
今まで読んでいただいた方ありがとうございました

それでは。

第八章 それぞれの役割(第一部完結)

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