婆ちゃん!
おやおや、赤ずきん。良く来たねえ……
そこにいたのはベッドで横になる婆ちゃんだった。
婆ちゃんっつうけど見た目かなり若い。
それには訳があって、婆ちゃんはとある魔法の副作用で見た目が若返ってしまっていたのだ。
あの小僧を気絶させて数分で婆ちゃんの家についた。
最初見た時あの小僧、この辺うろちょろしてたし、もしかして婆ちゃんの事狙っていたのか?
まあ、婆ちゃん相手に戦おうって馬鹿はいないだろうから勘違いだと思うけどさ!
薬持って来たぞ! あとケーキにワインだ!
ほう!
それまで元気が無かった婆ちゃんが一気に回復したように明るい表情になった。
ほら、薬だ
すまないねえ
婆ちゃんはそう言って薬を飲む。
何日か飲めばすぐに良くなるだろう。
待ってろ。今ケーキ切り分けるから。あとグラスにワインも
こりゃ楽しみだね
おや、これは新作かい?
ああ。スラムの餓鬼が考えたんだ
へえ!
それにこれは……あそこの酒か!
そうだぜ!
後から聞いた話だが、ぎっくり腰にワインはあまり良くないらしい。
まあ婆ちゃんだし、そこはきっと大丈夫だろ。
いやあ、少し見ない間にまた強くなったんじゃないのかい?
婆ちゃんこそ。魔力値が上がってるな!
あっはっはっは!
あっはっはっは!
それから二人談笑する。
願わくばこの時がいつまでも続きますようにと。
俺の婆ちゃんは、世界一の婆ちゃんだ。