邪神様

それが影の正体だったのだろう

邪神様

窓の外、そこでイナゴの佃煮を食らう、一体の精霊。その姿はまるでイタチだ

邪神様

真っ黒なイタチ。黒一色のイタチがイナゴを食っていた

やあ、また会ったね

悠雅

いやしっかしイナゴは見た目が無理だな…

悠雅

ガ ン ス ル ー


駿河

…………は?

 

駿河

黒イタチみてなんか気持ち悪い的な視線を送っている


もきゅもきゅ、ご馳走様

鬼塚

迷子精霊っ!

填緒

異端はさっさとカルマに溶けろ



異端、か。確かにそうだね。僕に主はいない。僕は僕自身の力で顕現している。この世界の理に背いてね。迷子精霊というのも強ち間違いじゃないかもね

填緒

去るといい。私の力(物理)が牙を剥くぞ

悠雅

『気持ち悪いからどっか行ってくれないかな』だとさ

駿河

イタチちゃんは姉拉致の犯人違いますよね(震え声)

邪神様

サイズがライオンくらいの巨体のイタチだった。けどこのイタチはサイズが小さい。見た目も少し違う


駿河

……流石に違うか

 

駿河

ぼそっと呟いて帰るーっ

ふふふ、まあ、まだ君たちは未成熟だしね。ただの挨拶さ

僕の雇主もそろそろ動き出す頃だしね、精々今を楽しむといいよ

邪神様

そう言って落下して行った

填緒

……なんだゲスか

 

填緒

パンもぐもぐ

鬼塚

待てェッ!

 

邪神様

鬼塚が追って窓から落下

邪神様

三回転して着地して影の後を追って物凄いスピードで駆け出した

駿河

先生が人間じゃない

填緒

いつものことだろ

邪神様

走り方はワルブレ風

邪神様

遠くの方でちゅどーんとかちゅどーんとかちゅどーんという音が

駿河

聞かなかったことにしよう

填緒

ヤシの木はどこだ

邪神様

ヤシの木生えてるよ

邪神様

紅薔薇会と白百合会が黙って無いですね。鬼塚先生はこの学院きっての問題児なのだ

駿河

アグレット胃痛案件

填緒

お姉様の敵か

第六話「迷子精霊」Ⅴ

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