世界が終わって何年経っただろうか。
オオオオオ。オオオオオ。
風が強く吹いている。
慣れない頃は人の雄叫びのように聞こえて怖かった。
今となっては人の声であってもらいたいと願っているのだから、不思議だ。
いつもは空をアスファルトのような色の雲が覆っているが、久しぶりに切れ目が生じた。
天気のいい日は崩れかけのソーラー発電所から電気をもらう。
スマホのバッテリーは絶え絶えで、フル充電しても半日も持たない。
でもメールを確認することならできる。
電源が復旧すると、あの人からメールが来ていた。