見知らぬ森をさまよい続けてどれくらいの時間が経ったのか分からない。
なぜこんな見知らぬ森をさまよっているのか。
それは少し時間を巻き戻す必要がある。
なにこれ この森めっちゃ深いんだけど・・・始まる場所おかしくね?普通村だろ村
見知らぬ森をさまよい続けてどれくらいの時間が経ったのか分からない。
なぜこんな見知らぬ森をさまよっているのか。
それは少し時間を巻き戻す必要がある。
おい、目を覚ませ
んー?
はよ目を覚まさぬか!!
うっざ こっちは眠いんだよ 話し掛けんな・・・
うっざ!?お前うっざいっていたな!?私を侮辱するのか!?
誰でだろうが 人の眠りを邪魔するような奴はぶっ殺す
殺す!?なんて口の悪いやつだ!!そんな風に育てた覚えはないぞ!!
いや、お前は父親か
とりあえず目を開けて右を向け どアホ
オレの眠りを邪魔するだけでなく どアホだと!?
くっそ キレた ぶっ殺・・す?
やぁ 救世主よ
うわっ!?
右を向くとそこには知らない女の子がいた。
驚きのあまりベットから転げ落ちる。
いーねー ナイスリアクション
どうかね? 初めて女子に添い寝してもらった気分は
別に初めてじゃねーから!!
全く冗談の分からんやつだな そんなんじゃあの世界ではやっていけんぞ
何言ってんのお前?つか誰だ警察に突き出すぞ
ふっふっふ・・・私が誰かって?
あなたのカ・ノ・ジョ♡
・・・
お おい!!無言で一升瓶振りかざすのはやめろ!!
こえーだろうが!! ジョークだよジョーク!!
ちゃんと話すから話聞け!!
・・・ったく
で お前誰?
えーと・・・神さま♡
・・・
いやマジだって!!信じて!!
だから一升瓶掴むのはやめろ!!
・・・でその神様がなんの用?
あ・・・言っといてなんだが意外とすんなり信じるんだな
まあ やろうと思えばいつでもやれるし
とりあえず話だけ聞こうかなって
心からは信じてないんだな 疑り深いやつめ
証拠を見せてやる
この声が聞こえるか ?
なんだこれ!? 脳内に直接声が!?
まあこれはいわゆる神通力のほんの一つだけどな
これで信じるかボケ?
いや 生意気なただのエスパー少女なだけかもしれないから信じねぇ
なんだ ただのエスパー少女って つか神は信じないのにエスパー少女は信じるのかお前は
エスパー少女はオレの オレたちの希望だからな
人のこと言えんがたいがいお前も何言ってんの?
しょうがないやつだなー そーれ☆
謎の女の子が右手の人差し指を立て振り上げたかと思うと
部屋の空間が歪みだした。
うお!?なんだこれ!?
歪んでいた部屋の空間は何もない真っ白な空間へと変わった
おい!!ここどこだよ!?
なんか知らん白い空間
それは俺にも分かるわ!!
まあとりあえず 神だと信じるか?
ああもう分かったから 信じるから
つか最初と口調変わってねぇか?
最初は威厳ある感じにしたかったけどお前全然ビビらねぇもん
まあそこもお前を選んだ理由だけどな
結局何の用?ところどころに「救世主」とか「あの世界では」とか「お前を選んだ」とか匂わせてくるけど・・・
あれか?異世界へ行って世界救ってこい的なやつか?
ピンポーン♪話が早くて助かるわー
そういう「異世界に飛ばされる系」はよくあるからな
その世界救ったら元の世界に戻れるとかか?
オレあんまり戻りたくないんだけど
分かってる分かってる
武嶺 歩(たけみね あゆむ)24歳 独身 彼女なし フッツ―の大学卒業して就職できたはいいものの劣悪な労働環境、態勢に頭を悩ますブラック企業のかわいそうな社畜野郎
オタク 口悪い 性格悪い 容姿普通 アホ
ところどころイラッてくるし アホはただの悪口だろ
まあ そんな かわいそうな田中くんだから
異世界で一生を過ごしちゃいなYO☆って感じ
若干ノリ軽いけどそれがいいや
ちなみにそっちの世界ってどんなの?
剣と魔法の世界かな
ありきたりなゲームかよ
でもでも そんじょそこらのゲームの世界と一緒にされたら困る
色々と設定があるからね
設定言うな なんか萎える
まあ あとはその世界についての詳しい説明とかだけどめんどくさいから「習うより慣れよ」ともいうし実際にあっちに行ってから頭と身体で覚えてね
チュートリアルみたいに思ってよ
雑すぎんだろ ちゃんと説明しろよ!!
まあまあ 大丈夫だって なんとかなるなる
さてさてポケットの中に何やら一つのボタンがあります
おい 何のボタンなん・・・
ぽちっとな
神さまがボタンを押した次の瞬間 武嶺の足元にぽっかりと大きな暗い穴が開き武嶺は重力にしたがって穴に吸い込まれるように落ちた。
だぁーーーー!?クソが!!あのやろう次あったらぜってーぶん殴ってやるー!!
いってらー
神さまが手を振るのを見ながら武嶺はそのまま意識が遠のき、そして途切れた。
目を覚ますと見知らぬ森で倒れており、当てもなくさまよい今に至るわけである。
神さまのヤツ ぜってーテキトーな場所に飛ばしたな
もし会ったら一升瓶でかち割ってやる
・・・あるか分からんけど
そんな事をうだうだ言いながら3時間はさまよっただろうか。
もうすぐで夜になろうかというところで少し先に灯りが灯っているのを見つけた。
村だ!!やっと着いた!!とりあえず宿屋かなんかで休むか・・・
目標が見えるとやる気も起き棒になった脚を奮い立たせ、村へと急いだ。しかし、すっかり日は沈んでしまい灯り以外は真っ暗になってしまった。
こんな暗闇を歩いたことなんてあったかな
まあお先真っ暗な人生歩んでましたけど・・・なーんちゃって・・・
森の中は真っ暗で不安はあったものの灯りが見えているので少し心に余裕があったので自虐をかましているとなんとなく気配を感じた。
えっとー もしもーし 誰かいるんですかー・・・
反応はないものの カサコソと草が揺れている音は聞こえる。
そして雲に隠れていた明るい満月が出て 辺りが見えるようになると・・・
ぷしゅるるる と空気が抜けるような音を出しながらスライムが草むらから出てきた。
敵かよ!?空気読めよマジで!!
まあ スライムって感じだし多分ザコキャラだろ けど武器もないし村までもうちょいだから・・・
秘技!!逃げるが勝ち!!
スライムを避けながら村の方へと走る!!
へっ 流石に追いつけねーだろ・・・
なんて余裕をかましながらスライムのいた後ろの方を振り向くと、
巨大化したスライムが異常な速さで武嶺の方に迫ってくる!!
アカン!!これはアカン!!
まさかの事態に驚きを隠せずにいながらも逃げ足のギアを上げ村へ急ぐ!!
しかし スライムと武嶺の距離はどんどん縮まっていく。
やべぇやべぇやべぇ!!
森も終わりが見え村まで500メートルといったところで武嶺の前方に巨大な影が動いている
巨大スライム2体目である。
あぁ 死んだ もう死んだ
諦めた武嶺は走るのやめて止まった。
ゲームオーバー
そう呟き目を瞑った。あっけなかったなぁと思いながら諦めていると、
伏せて!!
ラジャ!!?
どこからともなく女性の声が聞こえ、武嶺は命令通りに反射的に伏せた。
矢が二体の巨大スライムに刺さったかと思うといきなりスライムは燃えだし
ぶるしゅあああ と激しく空気が抜けるような断末魔を上げスライムは溶けてしまった。
危ないところであったな 最近のスライムは巨大化凶悪化してな
夜に活発に動き出すんだが強い光があれば大丈夫なんだ
これくらい常識だぞ 光も持たず森を歩くなんて無茶なやつだな・・・ってお前見かけない顔だな 旅人か?
し 死ぬかと思った・・・