おんな

今日も無駄な一日だったわ

おとこ

そんなわけナイだろ、俺がいるのに

おんな

アンタがいるからよ

おんな

ツマラない講義にツマラない男

おんな

これぞダイガクの人生浪費ってヤツよ。ふふ

おとこ

大丈夫、安心しな

おとこ

俺がお前を楽しませ

おんな

じゃあチョット面白いこと言いなさいよ

おとこ

そうだな……十秒くれ

おんな

1……5……10、と。どうぞ?

おとこ

オレはお前へのコイゴコロで十秒の重病だ

おんな

…………

おとこ

どうだ。しかも俺の、この俺のホンネだ

おんな

きっと、あなたのアタマが重病なのね

おとこ

ああ、キミに惑わされて重病さ

おんな

ごめんなさい、あたし好きな人がいるの

おとこ

俺にも好きな人がいるから大丈夫、それは君さ

おんな

奇遇ね。あたしもよ

おとこ

えっ

おんな

あたしもアタシが大好きなの

おんな

じゃあ、あたしカップ焼きそばのキャベツを乾燥させるバイトがあるから

おんな

さようなら、あたしの好きな人

おんなが教室から出て行った。
帰った。

おとこ

言ってくれるじゃねえか

おとこ

このオレをフるなんて……

おとこ

ん……?

おとこ

…………

おとこ

お前のカップ焼きそば食わせてくれよ!
俺はお前が好きなんだ!

残念ながらおとこの声はおんなに届かなかった。
でも相思相愛だわ。

またいつかの六月に続くかもしれない。

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