警察に連絡した美空はあちこちを探し回ったが一向に見つからず、人手のないところまで来た。
警察に連絡した美空はあちこちを探し回ったが一向に見つからず、人手のないところまで来た。
せっかくの楽しいお祭りだったのに・・・
エミリーちゃん無事だといいんだけど
するとエミリーの携帯に着信が入った。富津からであった。
もしもし?どうだったとみちゃん?いた?
ダメだ! 必死に探してはいるんだがこうも人が多いとな・・・
やまも祭りの本部にかけあってスタッフも探してくれてはいるがなかなか厳しいな
わかった 私ちょっと人があんまりいないところ探してみる
おう! 美空も気を付けてな
大丈夫 ありがとう
じゃ もしエミリー見つけたらすぐにオレに連絡しろよ?
一人で突っ込もうとするなよ
じゃあな
そう言い残し電話は切れた。
・・・こんなときにも私の心配するなんてとみちゃん優しいな
そういえば とみちゃんあの約束覚えてるかな・・・
ここならきっと大丈夫 夜だし目立たないはず・・・
自分に言い聞かせるように呟いた美空は少し浴衣を緩め、歩幅を大きくできるようにした。
ちょっとはしたないけど・・・
そう言い美空は一歩踏み出した。
しかし、その踏み出した足の先は地面ではなく空中である。
階段を一段上るように上げたその足は本当に階段があるように空中を踏みしめていた。
上から見渡せば見つけられるかもしれない
そして、そのまま美空は見えない階段を駆け上がるようにどんどん空へと昇っていき、上空50メートルになろうかという所まで来た。
そしてきょろきょろとあたりを見下ろす。
えっと・・・あ、あれ!!あの浴衣の柄に金髪!
間違いない・・・エミリーちゃんだ
エミリーちゃーーーん!!!
あれ?美空さんの声がしたような・・・
美空さーん?近くにいるんですかー?
(どうしたんだい嬢ちゃん?もしかして助けでも呼んでいるのかい?)
(けど周りには誰もいないぜ嬢ちゃん ささ、砂浜でデートと行こうじゃないか)
確かに美空さんの声がしたのに・・・きゃ!?
すると悪そうな外国人の二人はエミリーを連れて走り出した。
(ちょっと友達に見られるとまずいからな
急ぐぜ 嬢ちゃん)
あ!!走り出した おそらく警戒してるんでしょうね
確かあっちの方向は砂浜に出るはず・・・
ちょっとやばいかもしれない 急がなきゃ!!
美空はエミリーを追うように砂浜に向かって空中を走った。
そして、美空を見つめる一人の男の子がいた・・・
・・・
どうしたの?空なんか見て
浴衣のお姉ちゃんが空を走ってるー
そこにたまたま藤見が通りかかった
お、また会ったね
あ!スナイパーのお兄ちゃん!!
ママ このお兄ちゃんがギャラクシーくれたんだよ!!
そうなの?すみませんこの子のためにこんなものを
いいんですよ別に・・・
ところでお兄ちゃん さっき空を走ってる浴衣のお姉ちゃんを見たんだけど
もしかしてお兄ちゃんの組織の仲間?
いや、お兄ちゃんにそんな仲間なんて・・・
あ いるかも・・・なあ僕!!
そのお姉ちゃんはどっち行った!?
あっち!!
そっか・・・ありがと!!
すごいね僕!!大手柄だよ!!じゃあね!!
お母さん失礼します
は はあ・・・?
藤見は急いで男の子が指差した方向へ向かった。
俺の予想が当たってるといいんだけど・・・
しっかし・・・だとしたら世の中は狭いなー
富津のやつどんな反応するんだろ
あ 富津に電話しないと・・・
藤見は走りながらスマホを取り出し富津に電話を掛けた
どうだった!?見つかったか!?
おう おそらくだけどな今日行った砂浜の所っぽい
所っぽいってなんか自信なさげだな・・・
なんか美空さんっぽい人がそっちに行ったって目撃情報がありましてな
めっちゃ走ってたらしいから見つけたんじゃないかと
マジかよ!?っくそが だからなんかあったら電話しろってアイツに行っといたのに・・・
分かった!!すぐ俺も行く!!
もしもの時は頼むぜ やま!!
・・・・ツーーツーーツーー
あ 富津切りやがった
つか美空さんのこと最後まで言ってねぇや
ま いっか
っつか急がねーと!!思った以上にヤバイかも