フェリックス

アレク、君の話はかわった。だが、君の忠誠心が、これほど多くの命を奪っているという事実に、目を向けてほしい。

フェリックス

私には成すべき事があります。

フェリックス

私をその人間がいる研究所へ連れて行ってください。

アレクは驚愕の表情でフェリックスを見返し

アレク

なんだと!

フェリックスは一歩前に進みながら、
確信に満ちた声で応じた

フェリックス

アレク、あなたも心のどこかで分かっているはずだ。これらの実験がいかに無意味なものかを。

フェリックス

私が、これに終止符を打とう。

疑念の影がアレクの顔を一瞬かすめた。

アレク

本当にいいのか?

フェリックス

はい。

フェリス、何を言っているのだ?ダメなのだ、危険なのだ!

ワトリーはフェリックスに抱き着いた

ワトリーに抱き着かれながら、その小さな身体が震えるのを感じていた。涙で濡れたワトリーの瞳がフェリックスを見つめていた

人間界にいくなんてダメ、戻って来れなくなったらどうするのだ?

フェリックスはしゃがみ込み、
ワトリーと同じ目線になった。

フェリックス

ワトリー、聞いてほしい。ミミちゃんが今、あの研究所で実験台にされているかもしれない。

フェリックス

孤独に涙しながら助けを待っているはずだ

フェリックス

ミミちゃんを見つけ出して両親のもとへ連れ帰らなくては

フェリックス

そうしないと後悔することになる。わかってほしい、これはただの願いじゃない。これは私たちの責務なんだ、ワトリー

ワトリーの目からはさらに涙があふれ出た。

だったらボクも行くのだ

フェリックス

ワトリー。これは危険を伴う事だ。万が一を想定して、ワトリーにはこの世界にいてほしい。

フェリックス

留守を頼のむ

フェリス...ウェーン

アレク

いいんだな、私は研究所に連れて行くだけだ、中の事は知らないぞ。

フェリックスは決意を固めてアレクを見上げ、

フェリックス

かまわない、私をその場所へ案内してもらおう

ワトリーはフェリックスの決断を感じたのか、
さらに強くしがみついた

つづく

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