夕食が終わったころ、いつもは仕事を終えているはずの田代さんが
まだ廊下にいました
どうかしたのかな…?

おつかれさまです
今日は遅いんですね?

うっかりトイレットペーパーを買うのを忘れてしまっていて…

これからちょっと買いに行こうと思っていたんですよ

あー
でも、遅くなりますよ?
ボク、買ってきますよ

おばーちゃん

そうよねえ、もう、暗くなってきたし…
田代さん、ご家族も待っているでしょうし、もう、よろしくてよ?

奥様…
じゃあ、お言葉に甘えさせていただきます
為人さん、どうもありがとうございます

田代さんを見送ってから、ボクは買い物に出ることにしました
旧市街はお店も早く閉まってしまうので、高架下を抜けて、ぶらぶらと新市街にいきました

高架一つで街の雰囲気が変わってしまって、ちょっとオドロキです
新市街のモールは結構遅くまで開いているのです

ボクはモールの中を眺めて歩きました
明るくて、人通りの多いモールは面白いです!

トイレットペーパーを買ってモールを出ると、あたりはすっかり暗くなっていました

うん…?
誰かがボクのことを見ているような
変な感じ…?

気のせいでしょうか…
周りを見回してみても
高架下は薄暗くて人の気配もありません

うん…?

突然暗闇から人影が現れました!

あー
マニアッテマス

おばーちゃんが言うには
日本では「かると」?の
勧誘があるので
知らない人に声をかけられたら
マニアッテマスと言うように
言われていました

…でも、どうしてボクの名を
知っていたのでしょうか…?

ちょ…

身もフタもないなあ…

失礼シマス

まあ、待ちたまえ
せっかくカッコつけて登場したのに
何の興味も持たないのか?

……?

カッコ…?

う………

今の挨拶なら店では
マダムたちの黄色い悲鳴が上がるのだが…

まったくイマドキの若い連中は
シラけていると言うか、
何と言うか…

……???
なんか怒りっぽい人みたいです…

ほっとけ!

あああ~
もういい
とりあえず、本題に入るぞ

前置きなしで言うが、
犬上君、
私は君の正体を知っている

……

おや、その表情を見ると
さすがに驚いたのかな、犬上君?

なんか…
ちょっと面倒なことみたいです…

何のことですか?
いい加減にしてください

君は狼男、人狼、Werewolf…

何と呼ぶのがしっくりくるかい?

何を言っているんですか?
もう行きます!

まあ、待ちたまえ
君にとっても悪い話ではないんだよ

この街には人外の存在のコミュニティがあるんだ
君をそれに招待したい

人間とは違う者同士
助け合って生きよう

…はぁ?

詳しい話はまた後日…
まずは考えておいてほしい

おってまた声をかけるよ

かるとにきょうみないです!

ふふふ…
まあ、今日のところはそれでいい

さらばだ、犬上君!

変な男はまた暗闇に飲み込まれるように
姿を消しました!

何だったんでしょうか?
薄気味が悪いです…

家に帰るとボクは自分の部屋にこもりました
男の言ったことが気になったからです…

部屋の机の上には借りたマンガ…
主人公が人外の存在と戦う物語

ボクは物語のHeroではなくて…

…狩られる側の存在なのです

あの謎の男が言った通り…

ボクはWerewolf…
狼男なのです

…どうしてバレたのでしょうか…?

つづく

第5話 3 オオカミ少年、買い物に出る

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