平桔平

そういえば、あの襲撃にはどうして気づいたんだ? お前ら、結構早めに駆けつけてくれたけど

弦巻藤吾

あちらさんは、桔平ちゃんが家で一人になる瞬間を狙ってると思ってね。土日は俺らが入り浸ってたし。だから襲撃は今日以降だろうと考えて、常に俺らのうち一人が桔平ちゃんの周囲につくようにしてたんだ。でもまさか、桔平ちゃんが初日に自ら一人になるのは予想外だったなー。その時には俺らのほとんどが通学途中だったし。学校サボってまで見張ってた求真の連絡がなかったら、今頃どうなっていたことか

平桔平

う……悪かった

この謝罪は、弦巻達の計画を狂わせてしまったことと、彼らに容疑をかけてしまったことの二つの意味においてである。


だがそれでも犯人の動きは読めていたのか。




改めてこいつらのスペックの高さを思い知らされるが、一つ疑問がある。

平桔平

でもさ、そこまで分かってたなら、どうして教えてくれなかったんだよ? 俺は一応事件の中心人物だぞ?

聞くと、弦巻は全員とアイコンタクトを取った。

弦巻藤吾

そりゃあ、桔平ちゃんがビビる様子を見て爆笑……犯人が油断するかと思ってね

平桔平

やっぱり我欲じゃねえか!

後半部分が言いたかったんだろうけど、せめて本音は隠してくれよ。

でも、正直それは失策だったわね。そのせいで平君が予定外の行動を取ってしまい、私達の動きに遅れが生じたわけだし。結果的に平君には不要な怪我を負わせてしまったわ。……本当にごめんなさい

八重梅が歩きながらぺこりと頭を下げるが、俺は「いやいや」と手を振った。

平桔平

逆だ。お前らには感謝してもしたりねえよ。こっちが謝罪される覚えなんて全くねえぞ

しかしなおも八重梅は自省するように、

それに私はただ委員長の義務として、全員の動向を見張っていただけだったし……それに指をKILL(切り)落としたのも、少しやりすぎだったかしら

また大層自分に厳しめの評価を下してるが、それも完全に筋違いだ。

平桔平

まあ……犯人は何人も殺害してきたんだ。いわば自業自得だろ。それにお前は一番最初に駆けつけて、俺を助けてくれたじゃねえか。こっちが下げるべき頭をお前が下げる必要はねえよ。本当にありがとな

そ、そう。……ならいいけれど

フォローついでに率直な感謝を伝えると、八重梅は頬をやや朱に染めて顔を伏せる。


無論、ノリ軽男がその決定的瞬間を見逃す道理はない。

弦巻藤吾

あっれー? これはもしや、桔平ちゃんと規理ちょんにフラグ立っちゃった感じ? これはちるるも負けてらんないねー!

すると少し後ろをとことこ歩いていた鳥居笹が懸命に主張する。

鳥居笹千流

き、桔平君! 私は浮気相手でも大丈夫だから! 桔平君が幸せならそれでいいから!

そんな二人に向けて、俺と八重梅は冷めた視線を送る。

……弦巻君。不快な推量は止めてくれる? その良く回る舌をKILL(切り)取るわよ

平桔平

それに鳥居笹の恋愛観もただれすぎ……

お前まだ高校生だろ? 


もっと自分のこと考えて恋愛してもいいんだぞ。


あ、その結論としてストーカーに行き着いたのか。



怖。

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74|五日目 真相犯明―しんそうはんめい―

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