未だにびしっと土下座を決める委員長が、床に頭を着けたまま残留の意を示す。
と言っても、やっぱ二日ぶっ通しでお世話になるのも気が引けるし、俺と求真は午前中には帰らせてもらうよ
そうか。でも鳥居笹はまだ休ませてやりてえな。ここに一人きりで置いてくのも可哀想だし
だったら私も残るわ。できればもう少しここを整頓したいと考えていたの。罪滅ぼしになるかは分からないけど
未だにびしっと土下座を決める委員長が、床に頭を着けたまま残留の意を示す。
そこまで重く捉える必要はねえよ。でもそうしてくれんなら、鳥居笹と八重梅に留守番頼むか。……人性はどうする?
あたしは特に決めてねえけど、少なくともここには居らんねえな。すでにスパ子と一悶着あったし
その発言に「う」と八重梅が呻いた。
同罪ではあっても不祥事を起こさないようにと日々主張している分、人性より自責の念も大きいようだ。
よっしゃ。今日はクソ平についてくわ。家帰っても暇だし
……へ?
さらりと告げられた提案に、俺の全身がかたかたと震えだす。
あの、ちょっと……お前も来るの?
はあ? んだコラ、あたしがどう行動しようが勝手だろうが。あたしの髪馬鹿にしたこと水に流して、てめえの空き巣探し手伝ってやろうってのに、ケチつけんのかよ?
俺の反応がお気に召さなかったのか、途端に喧嘩上等な顔つきに変わる人性。
確かに転校初日にキレさせてしまった時に比べたら、こうして協力を申し出てくれるようになるくらいには、彼女の俺に対する印象は改善されてきたと言えるかもしれない。
だが今はそんな親切はありがた迷惑でしかない。
どうしてよりによってこんな大量殺人者予備軍なんて連れて、対犯罪者専門機関に赴かなければならないのだ。ロケット燃料庫で花火大会を催すくらいの愚行だぞ。
おお、そりゃハジけた組み合わせだね。国家暴力VS人間兵器。そこに巻き込まれる平凡な民間人。お金を払ってでも見物したいよ
不運にも、そこに弦巻が興味を持ってしまった。
こうなったら見物でも巻き添えは多いほうが良い。
ならお前らも来てくれ! 俺一人じゃこいつを抑えきれる自信ねえよ!
だが思考の半分が悪ふざけで構築されているクソ野郎共はわざとらしく首を横に振った。
んー、ごめん。実は今日バイトのシフトが入ってて……求真もそうだろ?
へへへ、すいませんね。僕も入院してる妹を見舞いに行かなければならないので
見え透いた嘘をつくな!
巴に関しては妹とか……お前はどっちかと言えば、姉貴とかがいるキャラだろ。
じゃ決定。署なら何度か世話になってっから案内してやんよ
そうして牛乳を一気飲みするヤンキー女にはっきりと言ってやりたい。
──何度か世話になってるから、連れていきたくねえんだよ!